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【材料】日本航空電子工業---第1四半期は大幅減益も下期以降の挽回に期待、NECが同社に対するTOBを実施予定。

航空電子 <日足> 「株探」多機能チャートより

日本航空電子工業<6807>はコネクタが主力のNEC系の電子部品メーカー。タッチパネルや防衛・宇宙用電子機器も手掛ける。市場別に見た売上構成(2016年3月期実績値)は、スマホなどの携帯機器向けが39%、自動車向けが38%、産機・インフラ向けが14%、その他が9%である。携帯機器向けでは米アップル社向けの販売が多く、また海外売上高比率が70.6%と高いことも特色。

同社は7月27日に2017年3月期の利益見通しを下方修正。売上高は従来の2,100.00億円(前期比17.0%増)で据え置いた一方、営業利益を190.00億円→160.00億円(同10.8%減)に引き下げた。売上高は堅調な推移が見込まれるものの、利益面では急激に進んだ円高の影響などが避けられない見通し。修正後の業積見通しの前提となる為替レートは1ドル110円から105円に見直した。同日に発表した第1四半期決算は売上高が前年同期比24.5%減の366.94億円、営業利益が同78.1%減の14.31億円で着地。修正後の通期利益見通しに対する進捗率はスマホ向けの減速や円高などで低くなっているが、第2四半期以降は、秋に発売すると見られる米アップル社の新製品向けの出荷が予想されるため、業況の好転が期待できる状況にある。

5月31日にNECが同社に対するTOB(株式公開買付)実施を発表。NECは同社株を実質ベースで39.82%保有しているが、11月をメドにTOBで保有比率を50.79%に引上げ、同社を連結子会社化する予定である。なお、公開買付価格は1920円。今後は、NECの連結子会社となることで、自動車の自動運転やIoT関連の事業などで連携し、シナジー効果の発現を目指す。

《TN》

 提供:フィスコ

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