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【経済】NYの視点:ジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演に備える


投資家は、今週後半に予定されているカンザスシティー連銀主催のジャクソンホールのシンポジウムでのイエレンFRB議長による講演の中で、利上げのヒントが得られる可能性に期待している。

フィッシャー副議長はイエレン議長の講演を控えた21日、コロラド州アスペン研究所での講演で「米国経済インフレが中期目標である2%、最大雇用という金融当局が掲げる目標達成に近づいており、成長が今後勢いを増すだろう」との見解を示し、年内の利上げを示唆した。今後、投資が驚くほど弱い局面から回復し、ドル高の影響も弱まることから向こう数四半期に国内総生産(GDP)の伸びも加速すると見ていることを明らかにしたと報じられた。NY連銀のダドリーNY総裁も9月の利上げの可能性を示唆。FF金利先物市場での利上げ織り込み率は不十分だと指摘した。

米連邦準備制度理事会(FRB)内で影響力が強いとされる3名のうち2名が年内の利上げを示唆した。イエレンFRB議長もフィッシャー米FRB副議長やダドリーNY連銀総裁に続き、米国経済や金利見通しに楽観的な見通しを示す可能性がある。講演までは、こういった期待感がドルを支える可能性がある。

一方、8月の雇用統計の発表を控え、イエレンFRB議長が明確な利上げのタイミングに言及するとは考えにくく、ジャクソンホール通過後はドルが売り戻される可能性も十分にある。クレジットスイス銀のストラティジストも、2016年のジャクソンホールの議題は“Designing Resilient Monetary Policy Frameworks for the Future(将来に向けた柔軟性のある金融政策のフレームワーク考案)”であり、各国政府の金融政策が限界的な水準に近づく中、イエレンFRB議長の講演は金融政策の有効性を中心とした内容になる可能性を指摘。イエレンFRB議長が特別な一連の行動を促進するとの考えに懐疑的見方を示している。

《NO》

 提供:フィスコ

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