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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):国際石開帝石、スクリン、三菱商、日立

国際石開帝石 <日足> 「株探」多機能チャートより
■国際石油開発帝石 <1605>  931.5円  +43.9 円 (+5.0%)  本日終値
 国際石油開発帝石<1605>が反発。主要産油国の生産調整への思惑が強まるなか、前日のWTI原油先物価格は1ドル43セント高と大幅上昇し6日続伸、約1カ月半ぶりに終値で1バレル=48ドル台を回復した。前日の米国株市場では原油相場の上昇を受けてエクソン・モービルやシェブロンなどエネルギー関連企業が堅調に推移し全体指数の上昇に寄与している。東京市場でも同社をはじめとする資源関連株に追い風材料となっている。また、同社は前日に新潟県糸魚川市と富山県富山市を結ぶ天然ガス輸送パイプライン(富山ライン)を通じて、日産化学工業<4021>の富山工場へ天然ガスの供給を開始したことを発表している。富山ラインは、ライン沿線の大口需要家に対して、同社が新潟県上越市に建設した全長約103キロメートルの天然ガス輸送パイプラインであり、これも株価の刺激材料に。

■スクリン <7735>  1,180円  +52 円 (+4.6%)  本日終値
 SCREENホールディングス<7735>や東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>など半導体関連株が軒並み高。18日に発表された米アプライド・マテリアルズの5~7月期決算は、増収増益となりアナリスト予想を上回る見通しを示した。これを好感し、アプライド社の株価は時間外取引で上昇している。足もとの半導体需要は好調で、日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した7月の日本製半導体製造装置のBBレシオは1.23となり8カ月連続で1を上回っている。3次元NANDフラッシュメモリー向けなどの需要が伸びており、半導体製造装置関連株への業績拡大期待が膨らんでいる。

■三菱商事 <8058>  2,150円  +75.5 円 (+3.6%)  本日終値
 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が18日付で三菱商事 <8058> の投資判断「オーバーウエート(強気)」を継続し、目標株価を2100円→2300円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、コスト削減や需給改善に基づいた原料炭価格の上昇で、豪州石炭事業の収益が大幅に改善すると報告。また、16年3月期の減損計上により株主資本の健全性は改善しており、PBRの割安感が強まっていると指摘。配当についてもキャッシュフローを考慮すると増配が十分に期待できるとしている。

■スターゼン <8043>  4,560円  +150 円 (+3.4%)  本日終値
 食肉卸最大手のスターゼン <8043> が大幅続伸し、連日で年初来高値を更新。今月9日に発表した決算が引き続き買い材料視されている。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.5倍の15.7億円に急拡大して着地。輸入食肉相場の下落に伴う販売価格の低下で減収となったものの、前年同期に発生した評価損がなくなり大幅増益となった。外食やコンビニ向けにハンバーグなどの加工食品が伸びたことも寄与した。

■三井海洋開発 <6269>  1,700円  +39 円 (+2.4%)  本日終値
 三井海洋開発<6269>が4日続伸。18日の取引終了後、英の独立系石油開発会社タロー・オイルの子会社タロー・ガーナから受注していたFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)が完成し、17日からガーナ沖での石油生産を開始したと発表しており、これを好感した買いが入っている。なお、同FPSOは、ガーナ沖油田向けとしては三井海洋2基目のFPSOで、三井海洋の関連会社が保有し、タロー・ガーナに貸し出される。チャーター期間は10年間で、運転や保守点検などは三井海洋が請け負うことになる。

■信越化学工業 <4063>  7,298円  +156 円 (+2.2%)  本日終値
 信越化学工業<4063>が反発し年初来高値を更新。決算発表を好感され7月27日にマドを開けて買われた後も利益確定の売りをこなし下値切り上げトレンドを継続、信用取り組みは信用倍率0.7倍と売り長で需給関係の良さも値動きを軽くしている。東海東亰調査センターが17日付で同社のレーティングを「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価も6630円から8680円に上方修正しており、これが買いを後押しした。目標株価算出にあたっては、従来予想は半導体需要の先行き不透明さなどによる業績下方修正懸念からPER20倍を適用したが、その懸念が薄れる一方で、経営環境の不透明感は残ることからレンジの中間値と上限値の中間である PER22.5 倍を適用したとしている。同調査センターでは17年3月期通期の営業利益を前年比11.7%増の2330億円と予想する(会社計画は同 7.9%増益の2250億円)。なお、為替前提は1ドル=105円の前提(会社計画は100円)。

■日立製作所 <6501>  489.3円  +10 円 (+2.1%)  本日終値
 日立製作所<6501>が反発。同社は18日、東南アジア地区の統括会社である日立アジア社を通じてシンガポール国立がんセンターから、陽子線がん治療システムを受注し、10年間にわたるシステムの運転・保守契約を締結したことを発表した。今回、スポットスキャニング技術を搭載し、回転ガントリ室4室と固定照射室1室を備えた陽子線がん治療システム「PROBEAT」を納入。このシステムは東南アジア初となる陽子線がん治療システムで、2021年開業予定のシンガポール国立がんセンター内の施設に設置。この施設は地上24階建てで、がんの治療と研究の拠点となる。

■三菱ガス化学 <4182>  650円  +13 円 (+2.0%)  本日終値
 三菱ガス化学<4182>が反発し年初来高値を更新。同社は18日、休止中のメタキシレン(MX)生産装置1系列を17年3月から再稼働させると発表。これによる業績への寄与などが期待されているようだ。再稼働の理由は、MXの主要用途である高純度イソフタル酸(PIA)が年率4~5%程度で安定して伸長しており、MX需要の伸びが見込まれることが背景。同社は2013年11月以降、MX生産装置2系列のうち1系列を休止しているが、同業他社がMX生産装置を停止したことから需給バランスが引き締まっているという。

■Jティッシュ <7774>  1,179円  +23 円 (+2.0%)  本日終値
 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>が急動意。午前10時ごろ、日本ロボット工業会が公募した16年度「ロボット導入実証事業」において、同社が申請した「再生医療等製品の細胞培養工程へのロボット導入」(ロボット導入FS事業)が採択されたと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。「ロボット導入実証事業」は、幅広い分野でロボットが活用される社会の実現に向けて、ものづくり・サービスの分野のうち、これまでロボットが活用されてこなかった領域へのロボット導入の実証や検証を進めていくための事業。今回、採択されたJ・TECの「再生医療等製品の細胞培養工程へのロボット導入」は、再生医療等製品の生産工程において、人手で行われている作業にロボットを組み合わせることで、品質の安定化および採算性の向上に寄与するのが狙い。なお、17年3月期において、同事業の実施に伴い補助金が支払われる見込みだが、業績に重大な影響を与える場合には速やかに公表するとしている。

■大日本住友製薬 <4506>  1,757円  +31 円 (+1.8%)  本日終値
 大日本住友製薬<4506>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が18日付のリポートで、レーティング「ニュートラル」、目標株価1900円でカバレッジを開始したことが好感されている。同社は、医療用医薬品メーカーで、精神神経領域とがん領域を重点に研究開発を行う。同証券では、19年1月に非定型抗精神病薬「ラツーダ」が特許切れすることで、業績が一時的に低迷するため、積極的な投資スタンスは取りにくいとしている。一方、特許切れ後の成長ドライバーとなるがん幹細胞性阻害剤「napabucasin」や、細胞医薬品「SB623」の臨床開発が順調に進展し上市成功の確度が高まる場合や、外部成長の取り込みにより業績回復が早期化する場合は、積極的な投資スタンスは可能としている。なお、17年3月期営業利益予想は会社計画400億円を上回る479億5500万円としている。

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