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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~16600-16800円のレンジ上限に接近する展開も

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・16600-16800円のレンジ上限に接近する展開も
・ドル・円は102円35銭付近、ドル底堅い、リスク回避の円買い後退
・味の素、大成建設など6社の目標株価変更



■16600-16800円のレンジ上限に接近する展開も

日経平均は小幅に続伸。18.55円高の16669.12円(出来高概算9億2000万株)で前場の取引を終えた。8日の米国市場が利食い優勢の流れとなったことを受けて、小幅に下落して始まった。しかし、日銀のETF買い入れへの思惑等から下を売り込む流れにはならず、前日終値を挟んでのこう着が続く中、小幅ながらプラス圏で推移している。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が若干上回っているが、ほぼ拮抗。規模別指数は小幅ながら大型、中型、小型株指数いずれも小幅に上昇している。セクターでは任天堂<7974>の強い値動きを受けて、その他製品が上昇率トップ。その他、水産農林、鉱業、海運、食料品、卸売、情報通信、小売がしっかり。半面、建設、ゴム製品、証券、非鉄金属、輸送用機器、空運、電力ガス、倉庫運輸が小安く推移している。

こう着感の強い相場展開が続いている。ただし、日銀のETF買い入れへの思惑から下は売り込めず、相当底堅さが意識されている。TOPIXは小幅に上昇しており、以前であれば日銀のETF買い入れへの期待は高まらなかったであろう。しかし、先週の700億円超の買い入れイオンパクトが脳裏に焼きついており、売りは出しづらいだろう。後場も底堅さが意識されるようだと、ショートカバーを誘う流れによって、価格帯別出来高の膨れている16600-16800円のレンジ上限に接近する展開も意識されよう。

その他、任天堂<7974>の強い値動きによって、ポケモノミクス関連が堅調。小池都知事の発言により、カジノ関連の一角が賑わっている。さらに、ソフトバンクグ<9984>のVR参入により、VR関連への関心も高まっており、こう着ながらも市場のムードは明るい。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は102円35銭付近、ドル底堅い、リスク回避の円買い後退

9日午前の東京外為市場では、ドル・円は底堅い値動きとなった。特にリスク要因が見当たらず、警戒感による円買いは後退している。ドル・円は102円40銭付近で寄り付いた後、国内勢による売りで102円27銭まで下げたが、日経平均株価の上昇を受けドル買い基調となった。日経平均はいったん下落した後に再びプラス圏推移となり、ドルは株高期待の買いで一時102円53銭まで上昇した。

10時半に発表された中国7月生産者物価指数は前年比-1.7%と、予想の-2.0%、6月の-2.6%を上回った。一方、消費者物価指数(CPI)は前年比+1.8%と、6月の+1.9%を下振れたものの、予想と一致。中国経済の悪化は示されず、ドル・円への影響は限定的。

ランチタイムの日経平均先物は小幅高で推移しており、目先のドル・円は大幅安の展開は想定しにくい。株価のプラス圏推移が続けば警戒感はさらに後退し、102円半ばで底堅い値動きとなりそうだ。

ここまで、ドル・円は102円27銭から102円53銭、ユーロ・円は113円36銭から113円63銭、ユーロ・ドルは1.1070ドルから1.1091ドルで推移。

12時20分時点のドル・円は102円35銭、ユーロ・円は113円43銭、ポンド・円は132円95銭、豪ドル・円は78円11銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・味の素<2802>、大成建設<1801>など6社の目標株価変更
・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はコナミHD<9766>

・極楽湯<2340>、日合成<4201>、アサヒ陶<5341>などがストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます


・中・7月消費者物価指数:前年比+1.8%(予想:+1.8%、6月:+1.9%)
・中・7月生産者物価指数:前年比-1.7%(予想:-2.0%、6月:-2.6%)

・英中銀政策委員
「景気の悪化が深刻化すれば量的緩和の拡大は必要」

・小池都知事
「カジノ含む複合型施設誘致に前向き(NHK)」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・特になし


<海外>
・14:45 スイス・7月失業率(季調済)(予想:3.3%、6月:3.3%)
・15:00 独・6月貿易収支(予想:+230億ユーロ、5月:+210億ユーロ)

《WA》

 提供:フィスコ

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