【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):大成建、アシックス、新日鉄住金、サイバー
大成建 <日足> 「株探」多機能チャートより
大成建設<1801>、大林組<1802>、清水建設<1803>、鹿島<1812>など大手ゼネコンをはじめ、飛島建設<1805>、鉄建<1815>、銭高組<1811>などリニア中央新幹線関連として収益機会が拡大している建設株が軒並み活況高。景気刺激策としての政府の補正予算編成に期待が高まるなか、新たに取りまとめる経済対策の事業規模を、20兆円を超える水準で調整しているとの観測が複数のメディアで報じられている。来月上旬にも閣議決定して、2016年度第2次補正予算案を秋の臨時国会に提出する方針が伝わっているが、事業規模はさらなる上積み余地も指摘されている。追加の財政支出の財源は建設国債などで賄われ、インフラ整備などが中心となる見込みにあることから建設株への恩恵が見込まれている。財政投融資はリニア中央新幹線の大阪延伸前倒しに約3兆円が充てられる見通しで、ゼネコン以外ではリニア関連として注目度の高い銘柄群に物色人気が顕著だ。
■アシックス <7936> 1,934円 +25 円 (+1.3%) 本日終値
アシックス<7936>が8日続伸。同社は20日、ロート製薬<4527>とともに医療法人社団青泉会下北沢病院(東京都世田谷区)を研究拠点として、足に多い疾患に着目し、ウォーキング運動をサポートするシューズ・中敷やスキンケア製品の共同研究開発を行うことを発表した。今回、下北沢病院を医療研究拠点として、糖尿病、外反母趾、痛風、リウマチなどの予備群にアプローチ。健康を維持・促進するためにウォーキング運動をサポートするシューズや中敷、スキンケア製品を開発し、健康寿命延伸という社会的意義への貢献を目指す。
■新日鐵住金 <5401> 2,138円 +26.5 円 (+1.3%) 本日終値
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など高炉株や東京製鉄<5423>、共英製鋼<5440>、大和工業<5444>など電炉株に大口の買いが流入し始めている。鉄鋼セクターはアジア鋼材市況の下落や為替の円高、在庫調整の影響などネガティブ材料が多く株価も下値模索が続いたが、ここにきて流れが変わっている。日本鉄鋼連盟が20日に発表した6月の粗鋼生産量は876万トンと前年同月を2.7%上回り、3カ月連続で前年同期比プラスを記録した。4~6月四半期ベースでは7期ぶりのプラス圏に浮上しており、粗鋼生産に底入れムードが高まっている。今後は20兆円超の規模ともいわれる政府の経済対策が打ち出されればインフラ整備に使う鉄鋼需要なども見込まれ、見直し機運が高まりそうだ。
■サイバーエージェント <4751> 6,520円 +70 円 (+1.1%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が4日続伸。同社は20日、ブランド広告企業のインターネットマーケティング支援を行う次世代ブランド戦略室において、ブランドリフトやリアル店舗への来店率を最大化することに特化した広告配信プラットフォーム「CA本部DSP」を開発、提供を開始することを発表した。「CA本部DSP」はダイレクトマーケティングの効果指標となるクリックやコンバージョンに最適化する一般的な配信プラットフォームとは異なり、ブランドマーケティングの効果指標となるターゲットリーチやビューアビリティ(視認性)、ブランドリフト(態度変容)を向上する独自の新たなアルゴリズムを開発し、ブランド広告効果に特化した運用型広告。リアル店舗への来店率を最大化する機能も順次対応中としている。
■USEN <4842> 326円 +3 円 (+0.9%) 本日終値
USEN<4842>は3日続伸。同社は20日の取引終了後、連結子会社であるアルメックスを通じてNEXPOINT(東京都中央区)との資本業務提携を行うことを発表した。NEXPOINTは各種センサーや情報装置とカメラを連携させる業務用カメラソリューションで高い技術力を有している。今回の提携によりアルメックスの主要事業領域である病院・ホテル市場、USENの顧客基盤である業務店市場および新規市場に対して、製品やサービスの付加価値をさらに高めていく予定。
■任天堂 <7974> 28,000円 +235 円 (+0.9%) 本日終値
SMBC日興証券のエンタテインメントセクターのリポートでは、Pokemon GOの大ヒットは、スマートデバイス×AR(拡張現実)×位置情報システムによりユーザーに新しいゲーム体験を提案できたこと、その新しい体験と世界的な人気キャラクターである「ポケットモンスター」を組み合わせたことが成功の主因であると分析。現時点では、同タイトルのユーザー特性など情報が不十分であるため詳細な分析を行うには至らないものの、Pokemon GOは限られたパイの奪い合いに参加したのではなく新たな市場を開拓した可能性が高く、Pokemon GOの成功は、新しい遊び方の提案によるスマホゲーム市場の成長余地が大きいことを示したと解説。19日時点の任天堂<7974>の株価はバリュエーションなどでは合理的な説明が困難な水準になっていることなどから、ポケモノミクスではなくポスト・ポケモノミクスへ注目したいとして、グローバルで通用するキャラクター・IPでのスマホゲーム展開のポテンシャルが高い、バンダイナムコホールディングス<7832>やコナミホールディングス<9766>など老舗ゲームソフトメーカーがポスト・ポケモノミクスのけん引役になると予想している。
■大東建託 <1878> 17,260円 +140 円 (+0.8%) 本日終値
大東建託<1878>が連日で上場来高値を更新。クレディ・スイス証券では、第1四半期決算では、受注残の増加に伴う増収効果と建設事業の粗利率の改善を主要因に増収増益が確認できそうと指摘。18年3月期ベースの配当利回りは3.3%、自社株買いを含めた総還元利回りは約5%で、「高いインカムゲインの投資魅力が継続している」と解説。レーティング「アウトパフォーム」、目標株価1万9000円を継続している。
■川崎汽船 <9107> 268円 +2 円 (+0.8%) 本日終値
川崎汽船<9107>が年初来高値。7月に入りバルチック海運指数の上昇と歩調を合わせて戻り足を強めているが、株価指標面でもPBR0.7倍台の時価は割安感が漂う。旧村上ファンドの流れを汲む投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが20日付の5%ルール報告で、同社の株式を純投資目的で35.37%から36.42%に買い増ししたことが判明、これも株価を刺激する材料となっている。足もとの円安進行もドル建て決済の海運株にとって追い風として意識される。
■住友金属鉱山 <5713> 1,208.5円 +7.5 円 (+0.6%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>が反発。クレディ・スイス証券では、金・ニッケル市況がそれぞれ世界景気不安・需給逼迫により上昇傾向にあることから、株価上昇は続くと指摘。17年3月期営業利益を710億円から595億円に引き下げるも、会社計画の460億円は上回るとみて、レーティング「アウトパフォーム」を継続。目標株価は1500円から1400円に引き下げている。
●ストップ高銘柄
くろがね工作所 <7997> 170円 +50 円 (+41.7%) ストップ高 本日終値
シライ電子工業 <6658> 395円 +80 円 (+25.4%) ストップ高 本日終値
PSS <7707> 413円 +80 円 (+24.0%) ストップ高 本日終値
ユニバーサル <6425> 3,100円 +503 円 (+19.4%) ストップ高 本日終値
オーイズミ <6428> 507円 +80 円 (+18.7%) ストップ高 本日終値
など、12銘柄
●ストップ安銘柄
モジュレ <3043> 750円 -150 円 (-16.7%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース