【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ハニーズ、キユーピー、アウトソシン、ナノキャリア
ハニーズ <日足> 「株探」多機能チャートより
5日、ハニーズ <2792> が決算を発表。16年5月期の連結経常利益は前の期比74.0%減の11.4億円に落ち込んだものの、続く17年5月期は前期比2.9倍の33億円にV字回復する見通しとなったことが買い材料。今期は国内と中国で75店を新規出店する一方、90店の不採算店舗閉鎖を計画する。ミャンマー工場の生産性向上なども利益回復に貢献する。
■キユーピー <2809> 3,485円 +380 円 (+12.2%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
キユーピー<2809>が3日ぶりに急反発し逆行高。SMBC日興証券がポジティブなリポートをリリースしている。リポートによると、中国をはじめとしたアジアでの調味料・加工食品の成長期待は株式市場でも認知され始めたとみられるものの、同社が国内でも収益性を高める動きを加速している点は十分に認知されていないとの見解を示している。同証券による16年11月期の営業利益予想を295億円から304億円へ、17年11月期は347億円から351億円へ、18年11月期は392億円から394億円へ増額している。同証券ではまた、目標株価を3770円から3970円へ引き上げ、投資評価は「1」(アウトパフォーム)を継続。新しい目標株価は前日終値3105円と比べ27.9%高い水準にあり、買い手掛かり材料視されている。
■アウトソーシング <2427> 4,885円 +300 円 (+6.5%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
アウトソーシング<2427>が全体波乱相場の間隙を縫って急反騰。IT業界向けなどの工場製造ラインへの人材派遣を主力に、技術系アウトソーシング事業でも需要を取り込んでいる。円高の進行で企業の経営者マインドにはやや陰りがみられるものの、人材需要は構造的な逼迫局面が継続しており、5月の有効求人倍率は1.36倍と24年7カ月ぶりの高水準となった。この流れは今後も続きそうだ。また、同社は景気変動の影響を最小限に抑えるための施策にも抜かりがなく、製造現場では派遣期間の長い契約を中心に受注を確保するほか、「PEO(メーカーの期間工を受け入れ派遣社員として派遣する方式)を通じ顧客メーカーとの関係強化に余念がない」(業界担当アナリスト)ことから、業界でも相対的優位性を発揮している。16年12月期営業利益は前期比73%増の54億円を見込むが、一段の増額期待も根強い。
■トーセイ <8923> 797円 +30 円 (+3.9%) 本日終値
5日、トーセイ <8923> が16年11月期の連結税引き前利益を従来予想の65億円→80.2億円に23.3%上方修正。増益率が7.7%増→32.9%増に拡大し、9期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。一棟販売物件の売却時期見直しで売上は計画を下回るものの、上期に販売した収益商業ビルなどの売却益が想定より膨らんだことが利益を押し上げる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の18円→22円(前期は16円)に増額修正。前日終値ベースの配当利回りが2.87%に上昇したことも支援材料。
■タカラバイオ <4974> 1,448円 +24 円 (+1.7%) 本日終値
タカラバイオ<4974>が全般急落相場のなかで堅調な動き。同社は業績好調な創薬ベンチャーの一角として、マーケットの注目度が高く、新薬研究ではウイルスでがん細胞だけを攻撃するワクチン「HF10」に対する期待が高い。そのなか、同社は5日に難治性白血病の遺伝子変異の検出法に関する特許をLSIメディエンス社にライセンス供与することを発表、これが目先買いの手掛かりとなった。チャート的には5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現で上値指向の強さをみせている。
■高松グループ <1762> 2,409円 +19 円 (+0.8%) 本日終値
高松コンストラクショングループ<1762>が3日ぶりに反発。大和証券は同社についてリポートをリリース。17年3月期連結業績について、売上高2240億円(前期比7%増、会社計画は2200億円)、営業利益115億円(同10%増、同110億円)と予想。連結子会社の青木あすなろ建設<1865>は、高速1号羽田線更新工事、整備新幹線のトンネル工事、震災対応の防潮堤工事などの大型工事をJVに参加するなどして受注しており、今後の収益安定化が期待できると紹介。もう1つの連結子会社である高松建設では、引き続き三大都市圏で相続税対策の賃貸マンションの建築需要が増加するとみている。同証券では、売上総利益率は高松建設のエリアドミナント戦略、資機材の現金一括購入などコスト削減、選別受注の推進などにより改善が続くとの見解を示し、投資判断「2」(アウトパフォーム)、目標株価2700円を継続している。
■出光興産 <5019> 2,023円 +13 円 (+0.7%) 本日終値
出光興産<5019>が売り物を吸収し、小幅ながら続伸。6月28日の株主総会で創業家の代理人が昭和シェル石油<5002>との合併に反対する意見を表明したことを受け、経営陣との対立が浮き彫りとなり、株価は急速に下値を探る展開となっていた。しかし、目先は経営面での紛糾を嫌気した売りが一巡し、全体急落相場に流されず底堅さを発揮するという皮肉な値動きとなっている。東証信用残は売り残が買い残を上回り、信用倍率は0.3倍と売り方の買い戻しも株価に浮揚力を与えている。
■アドヴァン <7463> 963円 -191 円 (-16.6%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
5日、アドヴァン <7463> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は2.2億円の赤字(前年同期は14.9億円の黒字)に転落したことが売り材料。英国のEU離脱問題による急激な円高進行を受けて、36ヵ月を超える為替予約について洗い替えなどによるデリバティブ評価損15億円を計上したことが響いた。
■ナノキャリア <4571> 1,050円 -190 円 (-15.3%) 本日終値
ナノキャリア<4571>が急落。5日の取引終了後、日本化薬<4272>が開発を進めている抗がん薬内包高分子ミセルNK105の転移・再発乳がんを対象とした第3相臨床試験において、主要評価項目が達成されなかったと発表したことを受けて、NK105の導出元である同社に失望売りが出ているもよう。また、日化薬も大幅続落となっている。同試験は、転移・再発乳がんを対象とした、NK105群とパクリタキセル製剤群との週1回投与による有効性・安全性を比較する無作為化・国際共同試験で、主要評価項目は無増悪生存期間の統計学的な非劣性だった。これに対してナノキャリアは「当社の主要パイプラインとは、根幹をなす技術的な相違があること、また、日本化薬とのライセンス契約は当社の独自技術としては初期段階における技術導出であることから、この発表による当社の今期の業績には影響がない」とコメントしている。
株探ニュース