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【市況】新興市場見通し:先週末急落を受けての自律反発機運の高まりの有無が焦点に

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場は、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の行方に関心が集中する展開となった。離脱懸念が和らいで週前半には堅調な推移も見られたが、一転しての離脱決定を受けて週末には急落、一時はマザーズ指数の下落率が15%近くにまで達した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-4.2%であったのに対して、マザーズ指数は-6.3%、日経ジャスダック平均は-3.2%だった。マザーズ指数は3月9日以来の900pt割れに。

個別では、そーせいグループ<4565>が週間で1.9%安、ミクシィ<2121>が同3.5%安、サイバーダイン<7779>が同4.3%安とマザーズ時価総額上位銘柄は総じて売り優勢。一方、セリア<2782>が同3.4%高、ハーモニック<6324>が同2.0%高、セプテーニ<4293>が同4.0%高、エン・ジャパン<4849>が同4.9%高など、ジャスダック時価総額上位銘柄では堅調な動きが目立った。売買代金上位銘柄では、ブランジスタ<6176>が連日の急落で同54.5%安、「神の手」配信開始による出尽し感が強まっている。モブキャスト<3664>も信用取引規制などから週末にかけて連日の急落で同16.8%安。前週のIPO銘柄では明暗も見られた。アトラエ<6194>が同27.5%安と大幅下落になる一方、農業総合研究所<3541>は同58.1%高と短期資金の上値追いが優勢となった。ほか、サムスン電子の生産設備拡充報道を受けて、平田機工<6258>には有機EL関連としての物色が向かった。DAC<4281>は米社との業務提携発表で同9.6%高。MDV<3902>はがん領域に特化した定型データセットの提供開始で同6.5%高。一方、前週末にかけての上昇の反動でインフォテリア<3853>が同28.1%安、アンジェス<4563>は海外におけるHGF遺伝子治療薬の開発戦略変更で同26.7%安。IPOでは、AWS HD<3937>、ストライク<6196>が公開価格を大きく上回る好スタート。

今週の新興市場は、英国のEU離脱を受けて急落した先週末からのリバウンドの有無が焦点となろう。各国における政策対応の動きなども顕在化するとみられ、全体相場には自律反発の動きも想定されるが、相対的に個人のマインド改善には、信用需給の悪化懸念なども重なり、時間を要する可能性もあろう。輸出関連との比較では内需株に安心感が強まりやすいとはいえ、新興市場のリバウンド本格化は日経平均の動きから後ずれしそうだ。

地合い悪化に連れ安した好業績内需株の一角などにはリバウンド狙いの動きも期待できよう。週末にかけて上値が抑えられた感のある先週のIPO銘柄も、地合いの落ち着き次第では値幅取り狙いの流れが強まる公算。ほか、主力の小売り企業で決算発表が相次ぐことから、新興市場でも小売り株には関心が高まりやすいだろう。なお、30日には夢の街<2484>、先週観測報道が伝わったUSEN<4842>などの決算発表が予定されている。

IPO関連では、6月27日にキャリア<6198>、28日にベガコーポレーション<3542>、7月1日にセラク<6199>がそれぞれマザーズに、29日にはコメダホールディングス<3543>、ソラスト<6197>がともに東証1部へ新規上場する。知名度の高さはではコメダホールディングスだが、テーマ性の高さから初値パフォーマンスはキャリアが高まると見られている。なお、先週はリファインバース<6531>(7月28日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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