市場ニュース

戻る
 

【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):日立、クボタ、デンソー、富士重

日立 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日立製作所 <6501>  484円  +17.1 円 (+3.7%)  本日終値
 日立製作所<6501>や日産自動車<7201>が高い。両社は英国に重要な工場を構え、市場では「英国関連株」とみられている。欧州連合(EU)からの離脱の是非を巡る英国民投票はきょう実施される。残留派と離脱派はほぼ拮抗しているが、EU残留派の勝利を期待した買いも流入している様子だ。欧州向け比率が高いマツダ<7261>も値を上げている。ただ、同じ欧州関連株のセイコーエプソン<6724>やコニカミノルタ<4902>は小幅安と、英国民投票の見方には強弱感が出ている。

■クボタ <6326>  1,466円  +41.5 円 (+2.9%)  本日終値
 クボタ<6326>は反発。同社は22日、主要拠点のひとつであるタイのサイアムクボタコーポレーション(SKC)にR&D拠点を新設したことを発表した。R&D拠点の投資額は約20億円でASEAN地域での農業機械のさらなる拡大に向け現地の作物、圃場条件、作業体系に適した農業機械の研究開発を進め、ラインアップの強化とスピーディーな市場投入を図ることで事業拡大を図る方針。

■デンソー <6902>  3,783円  +103 円 (+2.8%)  本日終値
 デンソー<6902>が反発。英国EU離脱を巡る国民投票を目前に全体相場は極端に流動性が低下しているが、主力輸出株の押し目には打診買いの動きも観測されている。そのなか同社株は13年2月以来3年4カ月ぶりの安値圏に沈んでおり、世界最大の自動車部品メーカーにしてPBRは1倍以下、解散価値を下回っている。車載エレクトロニクス分野で高技術力を持ち、自動車のIT化が加速するなかで改めてリーディングカンパニーとして頭角を現している。東大発ベンチャーのモルフォ<3653>とディープラーニングを駆使した画像認識技術の共同開発を進捗させるなど自動運転分野での活躍に期待がかかっている。17年3月期は営業小幅減益見通しながら、中期的には自動車の安全システム分野と環境分野で利益を確保し、「18年3月期は2ケタ成長路線への復帰が有望」(国内中堅証券調査部)と見込まれている。

■富士重工業 <7270>  3,908円  +101 円 (+2.7%)  本日終値
 富士重工業<7270>が反発。クレディ・スイス証券では、供給制約の解消や今期のImpreza以降の新車攻勢により、高水準の台数/トップライン成長は当面続くと指摘。収益も18年3月期以降は巡航速度の成長に回帰するとの見方で、外部要因による一過性の収益の踊り場から、再び中期成長性に市場が目を向ける局面が訪れると予想。レーティング「アウトパフォーム」を継続、目標株価は4500円から4450円に調整している。

■三井化学 <4183>  395円  +10 円 (+2.6%)  本日終値
 三井化学<4183>が5日続伸と戻り足を強めている。化学メーカーの17年3月期は、前期のように原燃料コストの低下メリットが見込めないことに加え、為替の円高反転トレンドで総じて収益環境には向かい風が強い。そのなか、三井系総合化学大手である同社は多角的な展開力を生かし、「ヘルスケア、自動車用機能性材料などの非石化事業へ経営の軸足をシフトしていることから、相対的に強みを発揮しやすい」(業界担当アナリスト)と指摘される。ヘルスケアでは新興国の高水準の需要を背景に、不織布などの紙おむつ材料が好調で、今後も増産基調が続きそうだ。17年3月期営業利益は弱含み横ばい見通しながら、18年3月期は「今期推定比2ケタ増益が有望」(同)との見方が強い。

■クラリオン <6796>  273円  +6 円 (+2.3%)  本日終値
 クラリオン<6796>が堅調。日立システムズ(東京都品川区)はきょう、クラリオンと共同で茨城県笠間市において「服薬支援クラウドサービス」の試験導入および笠間市が運用する「介護健診ネットワーク」との連携に関する実証実験を行ったことを明らかにした。実験の結果、適切な高齢者の服薬管理などが行えることを実証。今後、両社は「服薬支援クラウドサービス」の本格展開を目指すとしている。

■アシックス <7936>  1,911円  +40 円 (+2.1%)  本日終値
 アシックス<7936>が反発。みずほ証券では、16年12月期営業利益は2期連続の減益とみるも、国内事業の構造改革効果に加え、ランニングシューズでの高いブランド力を活用した海外事業の拡大により、17年12月期以降は増益基調に回帰すると予想。現時点では、アスレジャー関連としてのプレミアムの付与は困難も、足元の株価調整により業績悪化の可能性は概ね織り込まれたと判断。レーティング「中立」を継続、目標株価は2300円から2000円に引き下げている。

■日産自動車 <7201>  1,027円  +20 円 (+2.0%)  本日終値
 22日、日産自動車 <7201> が発行済み株式数の2.31%にあたる1億0400万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は6月30日。

■新生銀行 <8303>  160円  +3 円 (+1.9%)  本日終値
 SMBC日興証券の銀行セクターのリポートでは、銀行株は再び日銀金融政策に左右される展開が続き、当面レンジ推移が継続すると指摘。向こう2年間は減収・減益基調が続くとみて、業種格付けは「中立」継続。個別では、新生銀行<8303>をトップピックに、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>とりそなホールディングス<8308>も選好している。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均