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【特集】売上「7倍」グラノーラ、王者カルビーを日清・カゴメなど追撃 <株探トップ特集>

カルビーの「フルグラ」(右)と「フルグラ 黒豆 きなこ味」

―シリアル食品市場拡大を牽引、15年出荷は369億円に―

 食品業界ではこの数年、シリアル食品の需要が拡大している。健康志向の高まりを受けてバランスのとれた栄養食として認知度が広がったことや、調理をせずに気軽に朝食をとることができることが要因。先行企業に続いて他の食品メーカーも相次ぎ商品を投入しており、市場の拡大とともに各社とも好調な業績となっている。

●グラノーラが市場拡大を牽引

 シリアルは、トウモロコシや麦などの穀類を加熱乾燥処理しそのままで食べられるようにした食品の総称。米国では朝食メニューとして古くから定着しているが、その半面、日本では砂糖などで味つけしたものが子供のおやつ的な感覚で購入されている程度だった。

 購入層が限定されていたシリアルの出荷金額が2010年の255億円から15年に537億円(日本スナック・シリアルフーズ協会調べ)と、この5年間で2.1倍にまで市場が急拡大している。乾燥したフルーツをミックスしたグラノーラが健康志向の高まりから幅広い年代層で支持を得たことが需要増に大きく貢献した。グラノーラに限定すれば出荷金額は10年の49億円から15年には369億円へ急増している。そのグラノーラの特徴は食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富でありながらカロリーが控えめなことで、牛乳などで手軽に食べられることが、この数年の朝活ブームの波にも乗り需要急増の一因になっている。

●「フルグラ」生産能力増強で攻勢かけるカルビー

 グラノーラで市場を牽引しているのが「フルグラ」を展開するカルビー <2229> 。同社では1991年に「フルーツグラノーラ」として商品化。その後、商品改良を進めると同時に和食テイスト「フルグラ 黒豆 きなこ味」など商品ラインアップを拡充。15年5月には「フルグラ」の新生産ラインが稼働、これにより生産能力は従来の1.5倍にまで拡大。今年4月には「従来比で1.75倍にまで生産能力を拡大している」(広報部)といい、急増する需要の対応、増産効果により今後はさらなる販売増を見込んでいる。

●日清食品、カゴメなどグラノーラ拡充し追撃

 カルビーを追撃するかたちで、他の食品メーカーもシリアル食品の拡充を図っている。日清食品ホールディングス <2897> 傘下の日清シスコは“ごろっと”した存在感がある具材と、ザクザクとした歯ごたえのあるシリアル生地が特徴の「ごろっとグラノーラ」シリーズを投入、「贅沢果実」や「充実大豆」、「宇治抹茶」、「厳選じゃがコーン」の4種類を投入することで幅広いニーズに対応している。

 トマト加工品の最大手であるカゴメ <2811> はグラノーラと1食分の野菜が入った洋風スープ「ベジグラーノ」を昨年8月から発売している。1品で食べごたえのある野菜と雑穀が取れる具だくさんの洋風スープで、朝食における手軽な食事、野菜摂取手段として提案している。また、アサヒグループホールディングス <2502> はアサヒフードアンドヘルスケアを通じて「バランスアップ フルーツグラノーラ」、「バランスアップ 大豆グラノーラ カカオ&ナッツ」、「バランスアップ 玄米ブラン はちみつレーズン」を発売。

 加えてアサイーをはじめとするアマゾンフルーツの飲料や冷凍食品などを販売するフルッタフルッタ <2586> [東証M]はアサイーのグラノーラ「アサイーカフェ グラノーラ」を販売している。


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