市場ニュース

戻る
 

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 下値抵抗線に接近

株式評論家 富田隆弥

◆「荒れる2日新甫」の如く、5月相場は波乱の幕開けとなった。4月28日の「黒田ショック」が尾を引き、5月2日の日経平均株価は518円安、1万6147円と5日続落。さらに連休中の海外でドル円相場は105円台まで円高が進行し、4日のCME先物(円建て)は1万5890円(大証比250円安)で終えている。こうなると6日の相場も危うく、6日続落が避けられない状勢だ(※本稿執筆は5月5日)。

◆日経平均の日足は、2月12日の安値1万4865円から戻り二波で1万7613円(4月25日)まで上昇し、25日移動平均線や75日線、一目均衡表「雲」などを突破した。だが、遅行線「雲」上限や週足26週線を抜けずに頭打ち、そして5月2日は25日線、75日線、「雲」を再び割り込んでしまった。

◆週足は昨年8月のダブル・トップから崩れ、2月まで大きな調整二波を入れている。4月の戻りが「アヤ戻り」にとどまったことで、今度の下げが調整三波につながる可能性は否めず、その意味で2月安値1万4865円は大きな下値ポイントとして注視が続くことになる。

NYダウ、為替、原油、そして地政学リスクなど、外部要因に振らされやすい日本株の地合いはまだしばらく続こう。加速する円高は企業業績への影響も避けられず、「2日新甫」と「セル・イン・メイ(5月に株を売れ!)」の5月でもあり慎重姿勢が望まれる。

◆ただ、前回指摘の「連休前の現金化」が正解になったが、相場であるから道中は上げたり下げたり乱高下を挟むだろう。2月12日安値(1万4865円)→4月8日安値(1万5471円)を結ぶ下値抵抗線が1万5750円処を走っており、4月8日安値もあり、目先的には1万5500~1万5750円処が下値として意識されやすい。連休谷間の「5月6日」は変化日でもある。米雇用統計を受けてのNYダウと為替がポイントになるが、日経平均は目先的に「そろそろコツン」と下げ止まることも想定しておく。目先と大きな流れをしっかり踏まえ、対応するということだ。

(5月5日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均