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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 市場に歓迎されるネガティブ情報

株式アドバイザー 北浜流一郎

「市場に歓迎されるネガティブ情報」

●「マイナス成長予測」は悪材料?

 嵐続きの日々が一夜明けたら快晴。東京市場はこう表現したくなるほどの好転ぶりだ。特に国内に株価支援材料があったわけではない。それどころか、むしろネガティブ材料が多かった。

 外国人投資家たちが日本株を見捨てている。これがもっとも分かりやすい売り催促材料で、他に強力なインパクトがあったものとしては、IMFによる世界経済見通しの発表があった。

 12日発表されたそれでは、2016年の成長率を3.2%とし、今年1月時点の予測から0.2ポイント下方修正されていた。これはもちろんネガティブ材料だったが、もっと深刻なのは日本についての予想。今年は消費の低迷で0.5%の成長にとどまる。これだけでも先行きに希望を持ちにくくなるのに、さらに有り難くない予想が付加された。17年4月に予定通り消費税を引き上げた場合、マイナス0・1%に落ち込む。

 17年にマイナス成長に陥る先進国は日本だけである。こんな予想だったのだ。当然、マスコミはマイナスに受け止めていたが、この種の情報は投資する立場からは実は好ましい。

 米国市場を見れば分かることだが、米国経済について成長鈍化を示すような指標が発表されると株式市場は上がることが多い。金利の追加引き上げが先送りになる可能性があるとして市場は歓迎するからだ。東京市場でも同様に考えた方が投資では成果が上がりやすくなる。

●「強小銘柄」に引き続き注目

 つまり、経済の先行きに対するネガティブ情報により、消費税引き上げの先送りや追加金融緩和の可能性が出てくる。こう考えられるからだ。

 4月1日に発表された日銀短観で大企業製造業の業況判断指数DIがプラス6ポイントにとどまったことによる急落が、1週間ほどで終わったのも、このようなことが背景にあると見てよい。

 要するに市場は一見ネガティブに見える情報をテコに反発する。こうなることが多く、いまもそんな流れの中にあるため、ネガティブ情報に簡単に浮足立ってしまわないようにしたい。

 そこで、このような局面で投資しておきたいのは、やはり「強小銘柄」で、上昇トレンドをキープする中で浅い押し目を入れている銘柄になる。

 具体的には医療機器輸入商社の日本ライフライン <7575> [JQ]、ドイツSAP社のパッケージソフト活用システムに強いテクノスジャパン <3666> 。賃貸住宅の一括借り上げで収益を伸ばし続けいてる日本管理センター <3276> も動きは鈍いが緩やかな浮上が見込める。M&Aの仲介ビジネスで伸びている日本M&Aセンター <2127> も週末は一息入れた。これまで幾度も取り上げてきたが、またまた魅力的に見える。

 最後に高度道路交通システムのソフト検証に強いベリサーブ <3724> を。これまたお馴染み銘柄になる。

2016年4月15日 記

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