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【市況】ECB理事会への期待と不安、ポジション調整の範囲内での自律反発へ/オープニングコメント


 10日の日本株市場は買い先行の展開となろう。9日の米国市場はNYダウ、ナスダックともに上昇した。欧州中央銀行(ECB)理事会を明日に控え、追加緩和観測への期待から欧州株が概ね堅調な展開となった流れを受けて、買いが先行した。原油相場が上昇したことなども好感されている。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比165円高の16795円となり、これにさや寄せする格好で日経平均は4日ぶりに反発が期待される。

 ドラギECB総裁の定例記者会見では、かつて危機対策の一つとなったTLTROの延長か、6月のTLTRO終了後に同様の措置を導入するとの見方がされており、長期にわたって流動性を供給するといった発言を見極めたいところである。一方、期待感が高まる中、失望に終わる可能性も警戒されやすく、結局はポジション調整の範囲内での自律反発の展開にとどまりそうである。

 とはいえ、価格帯別出来高でみると16300-16900円は商いの薄いところでもあり、インデックスに絡んだ商いによって振れやすいところである。ここ数日の押し下げ要因とみられていたSQに絡んでのロールバック的な動きについても一巡していると考えられ、5日線辺りを意識した展開が期待されそうだ。

 ただ、インデックスに絡んだ商い次第であり、物色としては重要イベントを控えて積極的には手掛けづらい面が大きく、中小型にシフトしやすい。これまで商いが集中して連日大商いが続いていた銘柄等から、出遅れ感のある銘柄での値幅取りに向かいやすい。テーマ株についても足元で急伸しているテーマよりは、心理的な下値不安の小さい出遅れ感のあるテーマ等に、自律反発狙いの資金が向かいやすいと考えられる。セクターでは原油価格の上昇を受けて、資源関連の自律反発が意識されよう。
《AK》

 提供:フィスコ

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