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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「抵抗線」突破、春到来の兆し

株式評論家 富田隆弥

◆1万6000円前後で踊り場を形成していた日経平均株価だが、3月2日に661円高の1万6746円と急騰し、ポイントの25日移動平均線と上値抵抗線を突破した。踊り場からの上放れで日足は好転信号を発した。ようやく市場にも春到来の予感である。

◆相場で最大の材料は「需給」。好業績や低PER、低PBR、アベノミクスや日銀緩和、GPIFや年金にしても、チャートが崩れている間は「売り方が優勢」であるから、その間は材料としてはタンスの引き出しに仕舞っておかなければならない。だが、チャートが好転し「買い方優勢」となれば、注目材料をタンスから出すことになる。逆に懸念要因とされてきた原油や資源価格、オイルマネー、BRICS、PIGSなどはタンスに仕舞うことになる。市場には常に好材料、懸念要因が混在しており、どこでどの材料を用いるかは「トレンド」次第。「材料はあとから付いてくる」もの。

◆さて、日足が好転したことで、強気の証券マンが語る材料も日の目をみることになる。売りが溜まっていただけに、買い戻しを誘えば上昇に弾みをつける可能性もある。チャートで戻りのメドを探れば、一目均衡表の雲(現在1万7375~1万8014円)や75日線(1万7900円処)など1万7000円台が想定される。もちろん、乱高下を挟むだろうが、日足のトレンドが崩れるまで「買い優勢」の地合いが続く。

◆ただし、週足、月足など大勢基調で好転を確認するには時間がかかり、中長期で先安懸念が払拭された訳ではない。日足の好転はあくまでも当面の好転であるから、日経平均には「下値抵抗線」を引っ張り、それを注視しておくことを忘れてはならない。

◆春の兆しは出たものの、3月は雇用統計(4日)、メジャーSQ(11日)、ECB理事会(10日)、日銀決定会合(14-15日)、FOMC(15-16日)などイベント盛りだくさんで、相場はまだ上げ下げすることを想定しておく。そして、材料はともかく「トレンドに従う」ことだ。

(3月3日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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