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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 3発目の「黒田バズーカ」は空砲?

株式評論家 杉村富生

「3発目の『黒田バズーカ』は空砲?」

●株式市場は円高進行をイヤ気!

 日銀の3発目の「黒田バズーカ」は空砲? マイナス金利(0.1%)導入の効果はわずか1日、為替は円高(1ドル=116円台に突入)に振れ、株価は大きく売り込まれている。これはどうしたことか。

 追加金融緩和は円安になるのではなかったのか。この背景にはドル安(景気の伸び悩みを受け、FRBの利上げペースの鈍化)に加え、中国・人民元の切り下げ圧力があろう。

 もちろん、日銀はあらゆる手段を駆使、円高阻止、デフレ脱却を図る考えである。FRBのイエレン議長は「名目GDPの3割に膨らんだFRBの総資産4.5兆ドルを放置するのはよくない」と語っている。

 では、日銀はどうか。総資産は昨年末に375兆円(名目GDP比75%)、今年末には455兆円(同90%)に膨張する。

●みずほFGの配当利回りは4.0%に!

 これは大丈夫か。おそらく、どこかで「制御不能」の円安に陥る可能性があろう。まあ、いずれ「円高を心配していたころが懐かしい」といった状況になる。

 株式市場は徐々に売られすぎゾーンに到達しつつある。さて、こんな局面での投資戦術は? セオリー的には暴落日の“赤札”銘柄を狙え!の教えに従って、元気な銘柄を攻める、これが王道だろう。

 具体的にはローソン <2651> 、TOKAI <3167> 、ビオフェル <4517> 、雑貨屋BL <3331> [JQ]、ジェイテック <2479> [JQG]、東祥 <8920> などに注目できる。

 長期・逆張りでは2月4日に、187.4円の安値をつけたみずほFG <8411> の買い下がり作戦を提唱する。この水準のPERは7.2倍、PBRは0.59倍にすぎない。配当利回りは4.0%になる。

 現在、普通預金金利は0.02%だが、これは0.01%に引き下げられるだろう。200万円を預けても年間利息はわずか手取り160円だ。その金で1万株買えば年間配当金は6万円(手取り)である。

2016年2月4日 記


<プロフィール>
(すぎむら・とみお)1949年生まれ。常に、「個人投資家サイドに立つ」ことをモットーに掲げ、軽妙な語り口と分かりやすい経済・市場分析、鋭い株価分析には定評がある。兜町における有望株発掘の第一人者といわれる。ラジオ番組への出演のほか、株式講演会も好評を得ている。著書は100冊を超える。

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