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2016年01月29日19時30分

【特集】高橋春樹氏 【こう読む! 日銀マイナス金利導入】 (2) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品副本部長)

 29日の東京株式市場は、日銀がマイナス金利導入を決めたことを受け、日経平均株価は乱高下を経て前日比476円85銭高の1万7518円30銭となった。外国為替市場では、株価の動きに先駆け、一時1ドル=121円台前半まで円安・ドル高が加速。円安進行に伴う主力輸出企業の採算改善期待などを手掛かりに、引けにかけ買い直された。マイナス金利導入を受けて波乱展開となった株式相場の今後について、第一線の市場関係者に聞いた。

●「“黒田プット”の復活を評価」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品副本部長)

 異次元緩和とされてきた、これまでの“量的・質的緩和”にマイナス金利を加えたことはサプライズがあった。マイナス金利導入により、REIT(不動産投資信託)や不動産株が急上昇をみせるなど、量的緩和(買い入れ額の拡大)と同様の効果を既に発揮している。マイナス金利という日本初の緩和策導入に踏み切った黒田日銀総裁の姿勢を評価したい。新たな緩和策に踏み込んだということは、“さらに次の対策も用意している”ということだ。

 いわゆる“黒田プット”の復活と判断したい。“黒田プット”は、日本の景況感の悪化や株価下落に対して、黒田総裁が追加緩和策を打ち出すことで、それが下落リスクが限定されるプット・オプションのような役割を果たし、大きな損失は被らないという、一種の安心感を表すものだ。

 マイナス金利の導入は、外国為替市場へのインパクトが大きいようで、先行き不透明感の出ていた主力輸出企業の業績向上に効果を発揮しそうだ。金利収入への圧迫が予想される金融機関へのマイナス面を指摘する向きもあるが、総合的に判断してプラス面が多いのではないか。当面の日経平均株価の上値メドは90日移動平均線に相当する1万8500円水準と見ている。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>高橋春樹(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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