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【特集】“3%超高配当株”急増中、ミクシィ利回り3.6%に <株探トップ特集>

ミクシィの日足チャート 「株探」多機能チャートより

―高利回りが株価下支えに―

 全般相場の低迷が続くなか、株式市場には各種指標で割安銘柄が相次いでいる。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)に割安感が目立つ銘柄が多いが、とりわけ株価低迷は、高配当利回り銘柄を際立たせている。低金利状態が続くなか高配当利回りは、株価の下支え役も果たす。逆張り的な「リターン・リバーサル」の投資手法の観点から、高配当利回り銘柄が見直されそうだ。

●株価下落で利回り上昇、“割安株の宝庫”

 27日の東京市場は急反発し、日経平均株価は1万7000円台を回復したが、年初からの株価下落でとりわけ配当利回り面からの割安株が急増している。

 例えば、足もとの東証1部銘柄の加重平均利回りは1.76%。昨年の高値をつけた6月時点の1.60%前後に比べ利回り水準は上昇している。

 この株価下落基調が続くなか「リターン・リバーサル」の観点から高配当利回り銘柄を見直す動きが強まっている。リターン・リバーサルとは、“逆張り”の投資手法のことで、妥当な水準からカイ離した銘柄は、いずれ適正水準に戻るという観点から売買する方法を指す。このリターン・リバーサルの観点からは、高配当利回り銘柄は“割安株の宝庫”だ。

 例えばミクシィ <2121> [東証M]は21日に16年3月期の業績増額修正を発表するとともに、年間配当を129円から142円(前期実績は82円)に引き上げた。同社の株価は全般相場の下落で昨年来安値圏に低迷しているが、予想PERは5倍台、配当利回りは3.7%の水準にある。

 また、デクセリ <4980> の配当利回りは4.8%台の高水準だ。同社は旧ソニーケミカルで昨年7月に再上場。スマートフォン向けを中心にした光学弾性樹脂や特殊接着材など高シェア製品が好調だ。電話機、交換機の中堅メーカー、ナカヨ <6715> の配当利回りは3.9%。同社は昨年10月に中間期業績予想を増額修正するなど、収益は拡大している。

●メガバンクはじめ3~4%銘柄相次ぐ

 ゆうちょ銀 <7182> は11月の上場時の人気が一巡し、株価は今月に入り一時、公開価格(1450円)割れまで下落した。このため、配当利回りは3.4%前後の高水準に戻っている(ゆうちょ銀は今期25円〔半期〕を年間ベースで計算)。

 メガバンクも高配当利回りが目立ち、三井住友FG <8316> は3.7%、みずほFG <8411> は3.6%、あおぞら銀 <8304> は4.6%の水準にある。

 村上ファンド絡みの騒動があった黒田電気 <7517> の利回りは4.5%、同じくお家騒動があった大塚家具 <8186> [JQ]は5.8%前後で推移している。他の主力銘柄では、日産自 <7201> が3.8%、エプソン <6724> が3.7%、富士重 <7270> が3.2%、川重 <7012> が3.3%前後となっている。

●資源関連株などには不透明感も

 一方、原油価格の急落により資源関連株が急落するなか、高配当利回り銘柄が続出している。JX <5020> は3.7%、コマツ <6301> は3.3%、丸紅 <8002> が3.8%、三井物 <8031> は4.9%の水準にある。

 ただ、石油会社などには原油価格下落による減損計上の可能性も報道されており、市場では資源関連企業の予想配当が維持されるか、どうかを注視している。


  ◆株価下落で高配当銘柄が続出◆

コード  銘柄      配当利回り
<2121> ミクシィ     3.7
<4980> デクセリアルズ  4.8
<5020> JX       3.7
<6301> コマツ      3.3
<6715> ナカヨ      3.9
<6724> エプソン     3.7
<7012> 川重       3.3
<7182> ゆうちょ銀行   3.4
<7201> 日産自      3.8
<7270> 富士重      3.2
<7517> 黒田電      4.5
<8002> 丸紅       3.8
<8031> 三井物産     4.9
<8186> 大塚家具     5.8
<8304> あおぞら     4.6
<8316> 三井住友     3.7
<8411> みずほ      3.6

配当利回りは26日終値。3月決算銘柄。
大塚家具は12月決算、単位・%。
ゆうちょ銀行は今期25円(半期)を年間ベースで計算。

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