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【経済】「16年、話題の家電商品は?」家電Watch編集長に聞きました! <直撃Q&A>

阿部夏子氏(家電Watch 編集長)

 成熟化が叫ばれる家電業界だが、近年は消費者のニーズをがっちりつかんだ家電の登場が市場の話題を集めている。さらに、今年はインターネットと家電が融合したIoT家電の発売も本格化する見通しだ。昨年はどんな人気商品が登場し、そして16年はどんな新トレンドが生まれるのか。インプレスホールディングス <9479> が発行する白物家電専門ニュースメディア、「家電Watch」編集長の阿部夏子氏に聞いた。

●阿部夏子氏(家電Watch 編集長)

Q1 2015年に話題となった家電を教えてください。

 最高の香りと食感を実現する「感動のトースター」が宣伝文句のバルミューダ(東京都武蔵野市)の「The Toaster」や、無水で自動調理ができるシャープ <6753> の「ヘルシオホットクック」など、新しいジャンルの調理家電が人気でした。

 また、掃除機はロボット掃除機から、布団掃除機など、従来型のキャニスター掃除機とは違う新ジャンルの製品が多数リリースされました。16年も掃除機は引き続き多数の製品が発売され、話題となると思います。ただ、既に製品が出揃った感もあります。2台目、3台目の掃除機をすでに購入されたという人も多く、よりユーザーのニーズをつかんだ製品でないと、爆発的なヒットは難しいかなと思います。

Q2 今年新たにヒットの予感がする家電のトレンドは?

 個人的にヒットの予感を感じているのは、「ほったらかし家電」です。ヘルシオのホットクックに代表されるような調理家電や、ロボット掃除機のように自動で部屋を掃除してくれるなど「何もしなくていい」「任せられる」という家電が注目を集める動きが続くのではないかと思っています。

Q3 家電をインターネットとつなぐ「IoT家電」が発売されていますが、今後普及していくのでしょうか?

 現状でいうと、難しいかなというのが本音です。例えばエアコンや照明を付けるのにスマートフォンのアプリを起動しなければならないというのは、やはり手間がかかるし、どんなに細かい制御ができたとしても使い続けるのは難しいと思います。特に家電製品に関しては「まずつながることありき」で開発されている印象が否めないというのが本音ですね。

 IoTと相性がいいのは、家電製品単独よりも、システムかなと思っています。今ある機能を便利にするというよりも、新しい機能を提案した方が、人々の関心も集まりやすいでしょう。それを踏まえると、IoTは住宅のHEMS(家庭用エネルギーマネジメントシステム)や、防犯システムとの進化が進んでいくと思います。個人的に注目しているのは、パナソニック <6752> の「スマ@ホーム」というシステム。工事不要で外出先から、自宅の様子が簡単に確認できます。帰宅した家族とシステムを通じてコミュニケーションが取れるというのも、新しいですね。

<プロフィール>阿部夏子(あべ・なつこ)
白物家電専用のニュース媒体「家電 Watch」編集長。各メーカーの発表会取材はもちろん、新製品のレビュー執筆も多く手がける。「冷蔵庫や洗濯機などの白物家電は、スペックだけで語れないので、自分で使ってみて、感じたことを大切にしています」

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