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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 突っ込み安銘柄を試し買い

株式アドバイザー 北浜流一郎

「突っ込み安銘柄を試し買い」

●いいところまで下げた東京市場

 残念ながら東京市場を襲っている冬の嵐は治まっていない。日経平均株価は14日、昨年9月29日につけた安値1万6901円にわずか43円のところまで下げたあと反発したものの、弱々しい限りだ。

 昨年8月半ばから9月末にかけての暴落局面から12月初めには何とか2万円台に戻ったものの、またまた元の谷底に転げ落ちてしまった形だ。

 問題は、ここからまた這い上がれるのかになり、市場では絶望視する声がほとんどとなっている。何一つ買い材料がないどころか、株価の足を引っ張り頭を押さえる懸念材料ばかりだから、というのがその理由だ。

 確かにその通りだ。しかし、ここで思い出したいのは、9月の底打ち局面でも何一つ好材料などなかったのだ。それでも日経平均は回復に転じた。今回も同じ動きになるとはいわない。しかし、市場はバイアスが一方に偏り過ぎたところから反転することが多い。

 この点からは、いまはいわゆる「いいところまで下げた」のであり、すぐにどんどん上向くのは無理ながら、ようやくいつ反転してもおかしくないといえる状況にある。

●売り方の買い戻しに期待

 中国経済の減速懸念をベースとした原油先物価格と上海市場の下落懸念はなお居座り続けてはいる。これらが市場の攪乱要因となっているのは否定できず、今後も繰り返し東京市場の回復を阻むだろう。しかし、それらが繰り返されることで、市場は次第に打たれ強くなってくる。つまり、悪材料に鈍感になってくる。

 それにより売られ過ぎ銘柄に試し買いが入りはじめるとともに、空売りをしていた投資家たちが利益確保のための買い戻しに入りはじめる。特に歓迎できるのが後者であり、売り手はこれまで相当利益が出ていると見てよく、今後は彼らの買いを期待できる。

 その対象となるのは、当然大きく売り込まれた銘柄であり、いわゆる「突っ込み安」となった銘柄に投資魅力があることになる。

 市場環境がこれほど悪化すると、積極的な買いは激減、売り手の買い戻しが頼りになるだけに、それらへの、まずはお試し買いがお勧めの策になる。

 具体的にはオーソドックス銘柄の中からセブン&アイ <3382> 。5000円を下値支持線としていて、いまはそこから少し上がったところだけに安全度は高い。

 新国立競技場の建設を請け負うことになる大成建 <1801> も急落した。ここからは下げても大したことはないと見てよく、そろそろ拾いどころと見る。

 農業機械首位のクボタ <6326> も節目の1700円を割り込んでしまったが、業績に特段の問題はなく現在水準なら今後が楽しみになる。

 中堅株、小型株にも目を向けておくと、カルビー <2229> 、クックパッド <2193> が魅力的だ。そして、新興市場ではITメディア <2148> [東証M]だ。

2016年1月15日 記

●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。

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