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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整一巡感も、トレンド重視」

株式評論家 富田隆弥

◆新春から波乱に満ちるマーケット。目先的には調整一巡からそろそろ反発も想定されるところだが、今回の波乱は日本に限らず世界中で起きている。株は「同時株安」だが、為替や原油(商品)など波乱はあらゆるマーケットで起きている。金融のグローバル化が進み、溢れたマネーが世界の各市場でバブルを発生させたが、マネーが逆流を始めたことでバブル破綻がアチコチで始まったと見ておく必要あるだろう。

◆時代は変われども、人間の欲に伴う行動は変わらず、そこで繰り広げられる相場は似たものとなり、チャートは「歴史を繰り返す」ことになる。株価であれば2008年のサブプライムショック当時のものが参考になり、新春の波乱という点ではベアリングショックのあった1995年当時のチャートもいま参考になる。ちなみに、その08年と95年の日経平均は、1月下旬(22~24日)に一旦底打ちして節分まで戻すが、そのあと3月「彼岸底」に向け調整を深めている。

◆サイコロやRCI、騰落レシオ、平均線かい離率など日足のテクニカルが軒並み底値圏にきており、今回もそろそろ一旦底打ち、上昇に転ずることが想定される。今月下旬にはFOMCと日銀会合もあり、その前に買い戻し(ショートカバー)が優勢となり、そうなれば相場は節分まで上昇する可能性がある。

◆節分までの戻りをイメージするなら強気に「突っ込み買い」とするのも一策だが、すでに相場が崩れ需給が悪化していること踏まえると、「強気」とか「楽観」は控えめが望ましい。昨年のダブルトップから崩れた週足チャートは2007年からの流れと酷似しており、8年間の過剰流動性相場の終焉という意味では「サブプライム~リーマン」の過程が参考になり、目先と中期の展望をしっかり踏まえて対応すべきだろう。また、地政学リスクや天変地異など何が起こるか分からない時代でもあり、節分まで戻るとは限らない。チャートはテクニカルよりもトレンド(流れ)が重視され、好転を確認するまで「慎重」姿勢を続けたい。

(1月14日 記、毎週土曜日9時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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