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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、米FOMC、IPOラッシュ


■株式相場見通し

予想レンジ:上限19500-下限18500円

来週は波乱のスタートとなりそうだ。波乱要因としては週末の米国市場の大幅な下落がある。資源価格の低迷が長引くなか、米エネルギー・鉱業関連企業のジャンク債(投機的格付け債)の急落、これによる債券ファンドの解約制限の動きが嫌気された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比530円安の18680円と、心理的な節目の19000円をあっさり割り込んでいる。

その後は14日発表の12月調査の日銀短期経済観測(短観)、17・18日の日銀金融政策決定会合、米国では15・16日のFOMCといった重要な経済イベントが注目されることになろう。先週発表された10-12月期の法人企業景気予測調査では、先行きへの不安を残した格好。これにより、若干の追加緩和期待が高まった感はある。市場コンセンサスでは12月の追加緩和を予想する向きはないが、米FOMCでの利上げの影響を見極めつつ、1月での追加緩和が予想されている。米利上げ実施でアク抜け感が強まるなか、1月の追加緩和への思惑から、師走相場を意識した先高感が次第に強まることが期待される。

また、メジャーSQ通過によって、今後国内外の機関投資家などは冬休み休暇に入るため、市場参加者自体が減ってくることが考えられる。そのため、指値状況の薄い中を先物主導によるインデックス売買で振らされやすい面はある。また、個人主体の売買となるため、中小型株やテーマ株等での値幅取りに向かいやすい。とりわけ自動運転など、来年のテーマを探る動きなども強まってくるだろ。

なお、IPO関連では、ダブルスタンダード<3925>(15日、マザーズ)、ツバキ・ナカシマ<6464>(16日、東証1部)など7社の新規上場が予定されており、本格的なIPOラッシュとなる。公開規模がさほど大きくなく、テーマ関連に位置付けられるダブルスタンダードやアークン<3927>の人気が高まっている。



■為替市場見通し

来週のドル・円は、15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合結果が焦点となる。利上げは確実視されており、市場関係者の関心は2016年以降の利上げペースに向けられている。原油安の影響で利上げは緩やかなペースで進められるとの見方が増えているものの、一部では年4回の利上げ実施も想定されている。FOMCの声明内容を点検し、米国の利上げペースを見極めることが重要となりそうだ。

原油安の長期化や株安はドル上昇を抑える要因となるが、2016年末にかけて日米金利差は段階的に拡大するとの見通しは変わっていない。原油先物の下げが一服した場合、リスク回避的な円買いは縮小し、リスク選好的なドル買いが増えることでドル反転の可能性は残されている。



■来週の注目スケジュール

12月14日(月):日銀短観、マンション発売、ユーロ圏鉱工業生産指数、欧外相会合など
12月15日(火):ニューヨーク連銀製造業景況指数、米連邦公開市場委員会、など
12月16日(水):訪日外国人客数、ユーロ圏製造業PMI速報値、FOMC政策金利発表など
12月17日(木):日銀金融政策決定会合、独IFO景況感指数、英小売売上高指数など
12月18日(金):日銀総裁会見、百貨店売上高、鉄鋼生産など

《TM》

 提供:フィスコ

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