【経済】直撃Q&A 「インバウンド関連株」(1) 大塚竜太氏に聞きました!
大塚竜太氏 東洋証券 ストラテジスト
日本政府観光局は18日、10月の訪日外客数は前年同月比43.8%増の182万9300人だったと発表した。単月としては過去2番目の高水準だった。今年の累計は1631万人に達し、政府が掲げる20年の年間2000万人目標は、年内達成の可能性も出ている。東洋証券の大塚竜太ストラテジストに、訪日外客数の伸びを受けた「インバウンド関連株」の見通しを聞いた。
●大塚竜太氏 (東洋証券 ストラテジスト)
Q1 10月の訪日外客数をどう評価しますか?
10月の訪日外客数が44%の伸びをみせたことについては、ある程度は想定された範囲でそれほどサプライズはない。ただ、水準として単月で過去最高だった7月に次ぐレベルであったことは素直に評価してよいと考えている。政府のプロモーションが功を奏した結果であると感じている。
Q2 パリ同時テロや中国の景気減速などの影響は?
パリの同時テロについては、日本からフランスなど欧州への旅行需要に影響は出そうだが、訪日についての影響はほとんどないだろう。相対的に日本の治安がよいことは強みといえる。2020年に2000万人を目標に掲げていたが、年内の達成は微妙ながら、前倒しで達成される可能性が高まっている。
Q3 今後のインバウンド関連株の見通しは?
来年以降も訪日客数は増加をたどると思われるが、前年比較ベースでは伸び率が鈍化するのは必然といえる。したがって、インバウンド関連株も訪日外客数統計が株価に与えるインパクトは、今年ほどは大きくないと考えている。ただし、2000万人目標の前倒し達成が濃厚となるなかで、政府から新たな目標数値が出てくることは必至であり、次なる目標設定と合わせて政策的なプロモーション強化の動きが、関連銘柄にも追い風となる。
<プロフィール>
(おおつか・りゅうた)1986年岡三証券に入社(株式部)。1988年~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。 2000年から東洋証券入社し現在に至る。
直撃Q&A 「インバウンド関連株(2) 清水洋介氏に聞く」に続く
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