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【特集】「婚活」政府支援で生まれるスター株 <株探トップ特集>

IBJの日足チャート 「株探」多機能チャートより

―「新3本の矢」結婚助成の追い風に乗れ―

 「婚活」という言葉はいまや世間ですっかり定着しているが、今後さらに耳にすることが増えそうだ。安倍晋三政権では、少子化対策として、結婚支援に取り組む方針を掲げており、婚活関連ビジネスも盛り上がりが増すとみられている。株式市場でも10月27日にパートナーA <6181> [東証M] が東証マザーズ市場に新規上場し、初日にはカイ気配のまま取引を終えるなど関心は高く、今後も関連銘柄に注目したい。

●少子化対策の重要施策

 政府は10月15日、内閣官房に「1億総活躍推進室」を設置した。構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の「新・3本の矢」の実現を目的とする「1億総活躍社会」の実現をサポートすることが目的だ。

 このうち、「夢をつむぐ子育て支援」として、政府は出生率(1人の女性が一生に産む子供の平均数)を現在の1.4から2020年代半ばに1.8まで引き上げる目標を掲げている。これまで少子化対策といえば、妊娠や出産、子育て支援が主体だったが、今回は未婚者の支援にも焦点が当てられているのが特徴で、16年度からは自治体の結婚支援事業への助成を強化。結婚から子育てまで支援を行い、出生率アップに結び付けるのを狙いとしている。

 結婚支援を助成する背景には、未婚率の高さがある。2010年の国勢調査によると25~29歳の未婚率は男性74.5%、女性65.3%、30~34歳では男性49.5%、女性37.5%に及ぶ。また、未婚者の約9割が「いずれ結婚するつもり」と答える一方、夫婦の予定子供数は2.07人(いずれも2010年 国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」)であり、この対策をとることが「1.8」の実現に近づくと考えられているためだ。

 自治体でも結婚を支援するところは多い。大分県豊後高田市では条件を満たす新婚夫婦に新婚生活応援金として10万円を渡しているほか、新婚専用の市営住宅も提供。富山県小矢部市では条件を満たした婚活イベントに対して20万円を上限に補助を実施している。

 そのほかにも結婚祝い金や仲人への報奨金を支給する自治体は多いが、そこに至る「婚活」に関しては民間が先駆している。政府が自治体の結婚支援を助成することで、業界が活性化することが予想でき、関連する企業のビジネスチャンスは広がりそうだ。

●IBJは3年後売上高100億円目標

 8月末時点で3万2757人の会員数を擁する結婚相手紹介サービス最大手のツヴァイ <2417> [東証2]では、上期で2826人の成婚退会者を創出。一方で、入会者も前年同期比2ケタ増を確保した。同社では自治体の婚活支援事業の一環として婚活セミナーなども手掛けており、その数を増やしているという。

 また、IBJ <6071> は、9月末で有料会員数1万6000人(無料会員数18万人)を有する婚活サイト運営のほか、結婚相談所の運営や婚活イベントの開催などを展開している。15年12月期売上高は前期比21.6%増の40億3300万円を見込むが、3年後のイメージとして「売上高100億円を目標としている」(財務経理部)としており、成長への関心も高い。

●リンクバルなどにも注目

 このほか、街コンサイト運営のリンクバル <6046> [東証M]では、街コン参加者の中でも結婚意欲の高いユーザーを結婚相談所に誘導するために、条件に合った結婚相談所を無料で一括比較・資料請求できるサイト「婚活ジャパン」を運営。また、主力の「街コンジャパン」では、婚活パーティも多く掲載されている。

 冒頭紹介したパートナーAは店舗での面談を重視し、定期的に婚活の進捗度合いをチェック・アドバイスすることで成婚率は24%を確保し、10%前後とされる業界平均を上回っているのが特徴だ。

 このほか、業界最大級の会員数4万3500人を擁する楽天オーネットを子会社に持つ楽天 <4755> 、婚活サイト「excite恋愛結婚」を運営するエキサイト <3754> [JQ]なども関連銘柄として注目されよう。

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