【杉村富生の短期相場観測】 ─ 国民投票に振り回される株式市場
「国民投票に振り回される株式市場」
●やはり、為替が最大のポイント!
最大の懸念材料だったイギリスの国民投票を通過、次の焦点は7月10日の参議院選挙に移る。1人区では与党の苦戦が伝えられており、何らかの株価テコ入れが必要ではないか。それに、ここ数ヵ月、株価的には抑圧されてきただけに、夏相場は意外にしぶとい展開になると思う。ただ、国民投票の結果は最悪だった。とりあえずは売りが優勢だろう。
もちろん、為替次第の側面はある。アメリカでは11月8日の大統領選挙の投票日に向け、ヒラリー・クリントン候補(民主党)、ドナルド・トランプ候補(共和党)ともに、保護貿易主義的な色彩を強めている。
為替政策は両氏ともに、ドル安である。このため、円高圧力が高まっている。ただ、この局面では1ドル=100円前後(99円はある)の水準が円高の限界だろう。
いずれにせよ、両氏の基本スタンスは「TPP反対」にみられるように、「アメリカがすべて」であり、これでは輸出関連セクターは手掛けにくい。輸出関連セクターはこれまで同様、突っ込み買い(ギョッとするような安いところを拾う)の吹き値売り作戦が有効と判断する。
●主役はテーマ性を有する“小物”!
狙うのはやはり、引き続いてテーマ性を有する元気な“小物”だろう。注目テーマとしてはVR・AR、フィンテック&ブロックチェーン、人工知能、自動運転、有機EL、バイオ創薬、IoT、ビッグデータなどをピックアップできる。
具体的には、すこぶる元気なソフトフロント <2321> [JQG]、オールアバウト <2454> [JQ]、エイチーム <3662> 、インスペック <6656> [東証M]、アクサスHD <3536> [JQ]などに妙味があろう。
元気ではないが、深押しのEAJ <6063> [JQ]、サン電子 <6736> [JQ]は突っ込み買いのチャンスだろう。2銘柄とも今年の高値比の下落率は5割に達する。半値である。
業績面には何の不安もない。EAJには医療ツーリズム(円高メリットを享受)、サン電子にはVR・AR、世界トップクラスの暗号解読技術というテーマ性がある。ここからのダウンサイドリスクは乏しい。時間的にちょっと、辛抱できる人に。
2016年6月23日 記
株探ニュース