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9995 グローセル

東証P
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100株
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イーストン Research Memo(7):ソフトウェア技術、センサと無線のモジュール化、セキュリティ技術の3つの柱


■2018年3月期の重点取り組み

1. ルネサスエレクトロニクス製品の売上・デザイン-イン強化の取り組み
ルネサスイーストン<9995>はルネサスエレクトロニクスの有力特約店16社のうちの1社であり、売上高の仕入先別内訳ではルネサスエレクトロニクス製品の割合が約79%(2017年3月期実績ベース)を占めている。ルネサスエレクトロニクス製品の売上を拡大することは同社の成長戦略の第1に位置付けられている。

そのルネサスエレクトロニクスは事業構造改革を進めて自動車向けと産業向けの2分野に絞り込んでいる。したがって、同社もまたルネサスエレクトロニクス製品の売り込み先は自動車・産業の両分野ということになる。売り込み方としてはかねてより「コンセプト-イン」活動による営業を行ってきた。これは、顧客が新製品を設計する段階で顧客ニーズを満たすソリューション提案を行い、同社の取り扱うルネサスエレクトロニクス製品を顧客の新製品の仕様に組み込ませるといった方式の営業活動である。主力の顧客事業分野である、「自動車」と「産業」の分野においてはデザイン-イン活動を通じたアプローチが非常に重要となっている。

2017年3月期の実績は自動車分野向けが402億円、産業分野向けが228億円の計630億円だった。期初の段階では自動車分野330億円、産業分野320億円と計画していたが、自動車分野が伸びた一方で産業分野は伸び悩んだ。2018年3月期については総額は前期比横ばいの630億円だが、内訳では産業分野が回復して280億円となる一方、自動車は慎重にみて350億円としている。

2017年3月期のデザイン-イン事例は、自動車分野では高速道路自動運転システムやADAS、産業分野では医療機器や油圧建機システム、監視カメラなどがあった。2018年3月期も前期同様の流れが続くことになる。なお、2018年3月期からはインターシル製品の拡販活動が始まるため、この点もデザイン-イン活動に組み込まれてくる見通しだ。ただしデザイン-イン活動に一定の時間を要するため、収益貢献のタイミングは早くとも2019年3月期以降になるとみられる。

同社の取り組み状況は以下のようになっている。ポイントは、自動車分野のADASやコネクテッド・カー、IoTにおけるスマートファクトリーやスマートハウス等が具体的に目に見えつつあるなかで、同社の活躍の場や付加価値のつけ方などがよりはっきりしてきた点だ。同社は、自動車では情報系、制御系のマイコンに対するソフトウェアの開発サポートで存在感を増しているもようだ。また、IoTの分野でも各種センサ、無線技術を組み合わせてモジュール化し、ワンストップソリューションの提案などを進めている。

そうしたなかで同社の強みとして注目されるのがセキュリティの分野だ。これまではADASやIoTの実用化技術の開発の主眼であった。実用化技術が完成に近づき、実際の運用が視野に入ってきたことで新たな技術的課題も浮かび上がってきた。リアルタイムコントロールやセーフティ、ローパワーなどだ。なかでも重要と考えられているのがセキュリティの問題だ。同社はここで強みを発揮してビジネス拡大につなげる方針だ。

セキュリティの強化はレイヤーごとに必要となる。すなわち、各端末レベル、端末を制御する機器のレベル、及び“クラウド”が存在するネットワークレベルだ(切り分け方はいろいろあるが大きくは3層で考えられる)。同社はそれぞれのレイヤーにおいて最適なセキュリティ技術、商材を有しており、前述したマイコンやセンサ、無線通信などのハードに、セキュリティ技術をを付加し、便利性・機能性と安全性をワンストップで提供することで付加価値の高い商材・ビジネスに高めることを狙っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

 提供:フィスコ

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