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9788 ナック

東証P
528円
前日比
-4
-0.75%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.3 1.03 3.98 22.00
時価総額 246億円
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決算発表予定日

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ナック Research Memo(6):2023年3月期は増加ワクチン職域接種会場の寄与のほか値上げ効果が浸透(1)


■業績動向

1. 2023年3月期の業績概要
ナック<9788>の2023年3月期の連結業績は売上高が57,068百万円(前期比3.9%増)、営業利益が3,232百万円(同17.1%増)、経常利益が3,243百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,002百万円(同17.2%増)と増収増益となった。

2. セグメント別動向
(1) クリクラ事業
クリクラ事業は、売上高14,733百万円(前期比1.9%減)、営業利益1,618百万円(同27.5%増)となった。セグメント別の売上構成比は25.8%、売上高営業利益率は11.0%となった。

クリクラ事業では、原油価格をはじめとするモノの値段の急騰により、2022年10月にクリクラボトルの値上げをせざるを得ない状況になった。

直営部門は、宅配水クリクラの顧客数が微減となったものの、クリクラボトルの値上げにより売上高は前期に比べて増加した。「クリクラ」を含む宅配水市場は、コロナ禍によって増加した家庭用がコロナ禍の収束とともに伸び悩む一方、オフィス向けが回復傾向にある。加盟店部門では2022年4月にサーバーの値上げを実施した影響で、前期末の同年3月に駆け込み需要があり、その反動から伸び悩んだが、クリクラボトルの値上げがその減少分をカバーした。

次亜塩素酸水溶液「ZiACO」の直営部門における売上高は前期比で減少となった。顧客数は引き続き堅調であるものの、顧客の使用量が落ち着いてきたことによって顧客単価が低下した。

利益面は、プラスチックなどの原料価格、光熱費、人件費などが高騰したものの、クリクラボトルの値上げによる効果により大幅増益となった。セールス人員の削減など、販促活動の見直しも寄与した。前期は顧客数増加のための先行投資を活発化させたが、それが一巡したことも増益要因になったと見られる。

結果、2023年3月期の加盟店部門の売上高は前期比8.2%減の4,634百万円となった。加盟店部門においては昨今の半導体不足の状況による納期の遅れによりプラント機器関連の売上が鈍化し、売上高減少の要因となった。

直営部門の2023年3月期の売上高は同1.5%増の9,825百万円となった。数量としてはコロナ禍の影響で需要が落ちていたオフィス向けは回復しているが、家庭用はコロナ禍の収束とともに若干伸び悩んでいる。

(2) レンタル事業
レンタル事業は、売上高18,722百万円(前期比17.6%増)、営業利益は2,050百万円(同26.4%増)と、大幅な増益を確保し、クリクラ事業とともに全体の利益をけん引した。同事業はセグメント売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。セグメント別の売上構成比は32.8%、売上高営業利益率は11.0%となった。

ダスキン事業では、ダスキンコントロール部門において、2022年7月に一部商品の値上げを実施したほか、ケアサービス部門において事業数が増加したことにより、売上高が12,402百万円(同4.9%増)となった。ダスキンとの資本業務提携に基づきトータルケアサービスの推進に取り組んだが、これらは将来的に売上増加が見込めるカテゴリーになると見られる。

ウィズ事業の売上高も2,079百万円(同14.8%増)と増加した。飲食店が営業を再開し、定期納品が回復した。新規顧客の獲得もあり、底打ちから上向きに転じた。

アーネストは、同事業における貢献度が高かった。売上高は4,307百万円(同82.3%増)と前期の77.1%増に続いて、大幅に伸長した。2022年3月期のワクチン職域接種会場運営における実績が、空港の水際対策である隔離施設などの感染症関連の消毒・除菌作業の受注につながり、大きなビジネスに育った。今後はコロナ禍の一巡によって、特需の反動が懸念されるものの、新規分野の開拓によりカバーする考えだ。

利益面では、ケアサービス部門の販促活動強化による販管費の増加があったものの、全部門の売上高増加でカバーした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

《SO》

 提供:フィスコ

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