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8518 日本アジア投資

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アジア投資 Research Memo(3):障がい者グループホームの投資実行や、新規事業開発でも今後に向けて一定の成果


■日本アジア投資<8518>の主な活動実績

1. PE投資
(1) ファンド運用残高(ファンド新設の進捗)
同社グループが管理運営等を行っているファンドの運用残高は、清算期間中にあった1ファンドが清算手続きを終えたため、8ファンドで14,664百万円(前期末は9ファンドで15,850百万円)に減少した。一方で、事業承継支援の第2号ファンド(2022年8月設立)※がファンド総額を増額したほか、為替変動による増加もあった。

※同社と(株)あおぞら銀行の合弁会社であるAJキャピタル(株)(持分法を適用していない関連会社)が運営する、国内中小企業の事業承継を支援する第2号ファンド。地域金融機関など15社を出資者に迎え、2023年10月31日にファンド総額を5,101百万円(前期末は3,701百万円)に増額して組成を完了した。なお、2017年6月に設立した運営中の1号ファンド(総額3,000百万円)は8社に投資し、これまでに4社の事業承継に成功している。


(2) 投資実績(戦略投資の実行、及び既存資産の流動化の進捗)
同社グループの自己勘定及び同社グループが管理運営等を行っているファンドからの投資実行額については、7社に対して合計555百万円となった。そのうち、プロジェクト投資のパートナー企業への戦略投資2件(合計30百万円)が含まれており、戦略投資残高は992百万円(前期末は962百万円)とわずかに増加した。一方、フィナンシャル投資(戦略投資以外のPE投資)残高については、回収が実行を上回り5,485百万円(前期末は6,047百万円)と大きく減少した。それらの結果、PE投資全体の投資残高は72社で6,478百万円(前期末は81社で7,010百万円)となった。

(3) IPOの実績
2023年4月14日には、コインパーキングの運営、駐車場機器の販売・保守などを行っている日本システムバンク<5530>が名証メインに上場した。

2. プロジェクト投資
(1) 投資実績
投融資実行額は12件(新規プロジェクトへの投資6件※を含む)に対して合計563百万円となった。他方、プロジェクトの売却はなかったものの、社債の償還や分配金の受領による減少、プロジェクトの持分損益に伴う増減により、2023年9月末の投融資残高は55件で6,980百万円(前期末は50件で7,123百万円)に減少した。そのうち14件がメガソーラー、9件がメガソーラー以外の再生可能エネルギー、32件がその他(高齢者施設1件、障がい者グループホーム18件、植物工場1件、物流施設5件、その他7件)となっている。

※そのうち4件は障がい者グループホームへの新規投資、1件はその他(永代供養型樹木葬プロジェクト)への新規投資、残り1件はメガソーラーにおいて匿名組合持分を保有するためのプロジェクトへの投資である


(2) 各事業の進捗
a) メガソーラー
2023年9月末のプロジェクト数は14件(15発電所)で合計30.9MW(前期末は13件で合計30.7MW)とおおむね横ばいで推移した。そのうち売電中のプロジェクトは10件(12発電所)で合計24.7MWとなっている。また、栃木県にて建設中のプロジェクト3件(合計6.2MW)の開発を推進し、うち1件が9月に竣工した。

b) メガソーラー以外の再生可能エネルギー
2023年9月末のプロジェクト数は前期末からの変化はなく、屋根置型蓄電池付太陽光発電設備3件※1、バイオマス発電2件(うち1件は企画中)、バイオガス発電3件※2、風力発電1件(最大25.2MW/企画中)の合計9件となっている。

※1 戦略投資先であるKICホールディングス(株)が開発した物流施設の屋上に、同じく戦略投資先であるスマートソーラー(株)が開発した蓄電池付太陽光発電システムを設置した案件。
※2 そのうち1件は、バイオガス発電所のオペレーターに対する投資。


c) スマートアグリ(植物工場)
丹波篠山工場については、植物工場野菜(リーフレタス)への需要拡大に対応するため、生産能力拡大を目的とした増設(第2工場)を実施した(2022年8月全面稼働)ものの、生産量の拡大が計画に追い付かず、黒字化に遅れが生じている。もっとも、生産体制改善支援による生産量の増加とともに、収益も改善傾向にあるようだ。

d) ヘルスケア
障がい者グループホーム4件の新規実行により、2023年9月末のプロジェクト数は合計19件(高齢者向け施設1件、グループホーム18件)に増加した。そのうち、高齢者向け施設を含む5件が上期中に営業を開始し、合計13件が営業中となっている。特に障がい者グループホームについては、地域金融機関との連携強化により開発スピードが加速し、対象地域も東北、関東、中部、中国、四国、九州と全国に拡大してきた。また、これまではすべての案件を自社で開発してきたが、建設会社との協業により、建設中や今後建設予定の8棟について竣工後に取得することで合意し、2023年9月に1棟目を取得した(新規実行4件に含まれる)。自社開発に比べて完工リスクが低減できるほか、投資から収益化までの期間を短縮するところに狙いがある。同社としては、オペレーションのノウハウを生かすことでプロジェクトの価値を高める戦略のようだ。

なお、同社が投資するグループホームは、いずれも24時間支援体制の「日中サービス支援型」であり、ソーシャルインクルー(株)が運営を担っている。

e) ディストリビューションセンター(物流施設)
2023年9月末のプロジェクト数は前期末からの変化はなく、合計5件となっている。プロジェクトの開発は、戦略投資先であるKICホールディングスが行っている。

3. 新規事業開発
戦略投資先の(株)366(サンロクロク)※1により樹木葬プロジェクト第1号案件が2023年5月に東京都港区光円寺で開園し、販売を開始。第2号案件(京都府京都市海宝寺)についても、同年11月に開園した。また、戦略投資先のサイクループ(株)※2に対しても、電動アシスト自転車のサブスクリプションサービス事業向けの車体に積極投資を行った。

※1 永代供養型樹木葬プロジェクトのパートナー企業
※2 電動アシスト自転車のサブスクリプションプロジェクトのパートナー企業

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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