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7325 アイリック

東証G
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時価総額 62.4億円
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アイリック Research Memo(1):保険分析・販売支援プラットフォーマーのFintech企業


■要約

アイリックコーポレーション<7325>は、企業テーマに「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」を掲げ、自社開発したワンストップ型保険分析・検索システム「保険IQシステム(R)」(以下、「保険IQシステム」)を活用し、保険分析・販売支援プラットフォーマーとして事業展開するFintech企業である。

1. 「保険クリニック」、保険分析・販売支援ソリューション、スマートOCRを展開
セグメントは保険販売事業、ソリューション事業及びシステム事業に区分されている。保険販売事業は「保険IQシステム」を活用した日本初の来店型保険ショップ「保険クリニック(R)」(以下、「保険クリニック」)」直営店運営及び法人営業、ソリューション事業は保険代理店・銀行・保険会社向け「ASシステム」や「AS-BOX」の開発・販売及び「保険クリニック」FC事業、システム事業は子会社(株)インフォディオのAI搭載次世代型光学的文字認識システム「スマートOCR(R)」(以下、「スマートOCR」)の開発・販売などを展開している。「保険クリニック」はオリコン顧客満足度(R)調査「来店型保険ショップランキング」において3年連続総合第1位(2020年~2022年)を獲得した。スタッフの提案力、取扱商品の充実度、契約手続き、アフターフォローなどで高い評価を得ており、「保険IQシステム」を活用した同社の強み・競合優位性を示している。

2. 2023年6月期は大規模プロモーション投資などで減益だが売上面は2ケタ増収と順調
2023年6月期の連結業績は、売上高が前期比15.5%増の6,004百万円、営業利益が同55.1%減の187百万円、経常利益が同54.9%減の194百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同93.7%減の16百万円だった。直営店の人員を積極採用したことに加え、「保険クリニック」の大規模プロモーション実施(2022年11月から俳優の向井理さんをイメージキャラクターに起用して全国TVCM、関東JR全線での交通広告、YouTube広告等を実施)などにより販管費が大幅に増加したため、各利益は減益だった。ただし売上面は各事業が伸長して2ケタ増収と順調だった。なお、インフォディオの取引先(以下、当該取引先)に対する債権について取立不能または取立遅延のおそれが生じたため、2023年4月末を回収予定としていた売掛金48百万円を貸倒引当金繰入額として販管費に計上、保有する当該取引先株式に対する投資有価証券評価損43百万円を特別損失に計上した。

3. 2024年6月期は大幅な増収増益予想、さらに上振れ余地
2024年6月期の連結業績予想は、売上高が前期比25.3%増の7,524百万円、営業利益が同97.8%増の371百万円、経常利益が同94.0%増の377百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同845.1%増の151百万円としている。売上面は各事業とも伸長し、第2四半期より新規連結する(株)ライフアシスト(以下、LA)(2023年10月に子会社化)も寄与して大幅な増収を見込んでいる。利益面は人財及びマーケティング投資を効率的に実施するほか、増収効果で大幅な増益を予想している。前期計上した貸倒引当金繰入額や投資有価証券評価損が剥落することも増益要因となる。なお下期に向けてストック収益が積み上がるため、上期は営業損失だが、下期に大幅な黒字を想定している。弊社では、保険販売事業では人員採用などの先行投資がおおむね完了して集客数や成約数の増加によって利益が出やすい収益体質となっていること、大規模プロモーションによる認知度向上などで集客数が増加基調となっていること、ストック収益が主力のAS部門やシステム事業が順調に拡大していることを勘案すれば、会社予想に上振れ余地があると考えている。

4. Fintech企業として成長目指す
同社は成長戦略として、システムの業界プラットフォーム化による収益の拡大とともに、「スマートOCR」戦略のもと業容を拡大し、Fintech企業として成長を目指すことを基本方針としている。2022年6月に策定した3か年計画(2023年6月期~2025年6月期)では、1年目を「再始動の年」、2年目を「投資継続の年」、3年目を「成長の年」と位置付けて、最終年度となる2025年6月期の目標値に売上高8,495百万円~8,795百万円、営業利益700百万円~1,000百万円を掲げている。重点施策として、保険SHOPの新しいスタイルの確立(デジタル技術活用による最良の顧客サービスの永続的提供)、「保険クリニック」の認知度向上と集客数の向上、DXを活用したオンライン相談の拡大、「ASシステム」の大型導入先の開拓と新サービスの提供、「スマートOCR」事業のさらなる拡大と販売力の強化を推進する。コスト面では、店舗生産性向上に向けた人員確保やM&Aにより販管費の増加を見込むが、「保険クリニック」の認知度向上に向けたマーケティング投資については効率を重視した施策に変更する方針だ。

5. 事業基盤強化の進展を評価
同社は保険分析・販売支援プラットフォーマーとして、第1の柱である「保険クリニック」事業の拡大、第2の柱である「AS」シリーズの拡大、そして第3の柱と位置付ける「スマートOCR」の拡販によって収益拡大を図るとともに、業界の枠を超えたFintech企業としての成長を目指す方針である。2023年6月期は大規模プロモーション投資や人財投資、さらに一時的費用の影響で減益だったが、売上面では第1の柱である「保険クリニック」事業が順調に拡大し、ストック型収益で第2・第3の柱となる「AS」シリーズと「スマートOCR」が大幅に伸長するなど、Fintech企業としての事業基盤強化が進展していると弊社では評価している。さらに、ストック型収益の拡大により今後の収益力向上が加速する可能性がある点にも注目したい。

■Key Points
・来店型保険ショップ「保険クリニック」、保険分析・販売ソリューション、スマートOCRを展開
・2023年6月期はマーケティング投資などで減益だが、売上面は2ケタ増収と順調
・2024年6月期は各事業の伸長やM&Aによる新規連結効果などで大幅増収増益予想、さらに上振れ余地
・3か年計画では3年目(2025年6月期)を「成長の年」と位置付け
・Fintech企業としての事業基盤強化の進展を評価、ストック型収益拡大に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SO》

 提供:フィスコ

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