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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6869 シスメックス

東証P
2,660.5円
前日比
+19.0
+0.72%
PTS
2,650円
23:12 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
31.9 4.08 1.05 14.43
時価総額 16,744億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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オプティム Research Memo(1):2023年3月期は創業来23期連続の増収を達成(1)


■要約

オプティム<3694>は、現 代表取締役社長の菅谷俊二(すがやしゅんじ)氏が佐賀大学学生時代である2000年に友人らと起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、主力の「Optimal Biz」及び「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有し(出願数1,125件、登録数546件、2023年2月時点)、菅谷氏は1993年~2020年「情報通信分野」特許資産個人ランキング1位を獲得している。広い業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2015年には同市場1部に昇格し、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。

1. 事業内容
同社の主力事業は「IoTプラットフォームサービス」事業であり、全社売上高の87.0%(2023年3月期)を構成する。その内訳としては従来からの強みである「モバイルマネジメントサービス」と近年投資を積極化する「X-Tech(クロステック)サービス」に分類される。「モバイルマネジメントサービス」では、スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスであり、パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。

「X-Techサービス」では、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した業種別の取り組みや、「OPTiM AI Camera」をはじめとするパッケージサービス等を展開する。「OPTiM Cloud IoT OS」を用いる取り組みとして、各産業とITを組み合わせて、すべての産業を第4次産業革命型へと変化させる「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」を実施している。同社の取り組みとして、農林水産業では、2016年に日本で初めて農業分野でドローン・AIを活用した害虫駆除の実証実験に成功したことから始まり、2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、契約生産者にスマート農業サービスを提供することをはじめとし、米や大豆などの作物が本格的に収穫され始めた。医療分野においては、2016年に日本初、遠隔診療サービス「ポケットドクター」、2020年に「オンライン診療プラットフォーム」をリリースした。直近では、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社の、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が使われている。建設業界では、世界初のスマートフォンを活用した高精度3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」の提供を行う。これにより高価格だった従来の測量機器の価格破壊や飛躍的な運用容易性をあげる事が可能となった。このほかにも多数のキラーサービスが登場しているのがこの「X-Techサービス」分野である。

同社は創業来、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを複数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。

2. 業績動向
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比11.6%増の9,277百万円、営業利益が同14.0%増の1,750百万円、経常利益が同10.1%増の1,634百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.0%増の962百万円となり、創業来23期連続の増収と堅調な増益を達成した。売上高は、ストック売上・フロー売上ともに順調に推移した。売上構成の約4分の3を占めるストック売上では、モバイルマネジメントサービスの中心となる「Optimal Biz」、X-Techサービスの中心となる「OPTiM Cloud IoT OS」ともにライセンス数を伸ばした。「OPTiM Cloud IoT OS」を土台としたキラーサービス化を目指し投資を行った領域としては、建設業界向けスマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」やAIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」、AIを活用し農業分野向けの適期防除を可能とする「ピンポイントタイム散布」、マーケティングDXサービス「OPTiM Digital Marketing」、オンライン診療プラットフォームなどであり、それぞれ新規開発や機能強化が進展した。売上原価は前期比で23.3%と増加したものの、販管費は同3.9%減に抑制した結果、営業利益は同14.0%増、経常利益は同10.1%増と順調に伸ばした。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、一定の収益性(売上高営業利益率18.9%)を維持しており、順調な推移と評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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