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6834 精工技研

東証S
1,957円
前日比
-19
-0.96%
PTS
1,966円
21:46 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
38.0 0.66 2.81 40.97
時価総額 183億円
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決算発表予定日

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精工技研 Research Memo(4):売上高は過去最高を達成も、利益は資源価格・物流コスト上昇により減益(1)


■業績動向

1. 2023年3月期の連結業績
精工技研<6834>の2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.6%増の16,282百万円、営業利益は同8.8%減の1,390百万円、経常利益が同2.1%減の1,606百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.9%減の1,082百万円となり、売上高は過去最高業績を達成した。ただし車載用成形品や光通信用の部品の販売が低調で、期初予想を下回る結果となった。要因として、自動車関連市場では半導体供給不足が解消せず自動車メーカー各社の生産調整が実施されたこと、光通信関連市場ではコロナ禍の回復に伴いリモートワーク関連の需要が減少したこと、大手IT関連企業の設備投資の縮小が挙げられる。各利益については、展示会への出展や国内外への出張を増やしたことで旅費交通費や広告宣伝費が増加したほか、電力費や荷造運賃等の費用が増加したことで売上総利益が減少した。

2. セグメント別業績
2023年3月期の売上高構成比は、精機関連事業が8,303百万円で51.0%、光製品関連事業が7,979百万円で49.0%となった。2021年3月期から2023年3月期の3期で見ると、2021年3月期は精機関連事業58.5%、光製品関連事業は41.5%、2022年3月期には精機関連事業52.4%、光製品関連事業は47.6%、精機関連事業と光製品関連事業の売上高の割合はほぼ一定している。

(1) 精機関連事業
売上高は前期比2.1%減の8,303百万円、セグメント利益は同2.9%増の392百万円、セグメント利益率は4.7%となった。電気自動車分野の市場拡大に伴い車載エアコンに搭載されるコンプレッサー用の部品の売上が増加した。一方で自動車の各メーカーによる製造台数の抑制により、自動車の多様なセンサに用いられるインサート成形品の売上が減少した。スマートフォンに搭載する金属プレス成形品も、スマートフォン端末価格の上昇や買い替えサイクルの長期化による需要縮小の影響で売上が減少した。

(2) 光製品関連事業
売上高は前期比3.5%増の7,979百万円、セグメント利益は同12.7%減の998百万円、セグメント利益率は12.5%となった。コロナ禍を契機に2021年3月期以降、リモートワークやWeb会議の増加に伴いIT需要は高まっていたが、コロナ禍の沈静化に伴いブレーキがかかった。これに欧米経済の失速が重なり、大手IT関連企業が投資を手控えた。光通信用部品の製造機器や検査装置は受注残もあり増収となったが、光通信用部品は前期比でわずかに減少した。なお、顧客への安定的な製品供給を強化するため、光通信用部品工場としてSEIKOH GIKEN (Thailand)を2023年3月に新設した。中国、日本に加え、3ヶ国目の生産拠点となる。

(3) 地域別売上高
地域別売上高を見ると、日本は前期比2.5%減の9,390百万円、北米は同8.1%増の2,193百万円、中国は同9.4%減の1,635百万円、その他アジア地域は同19.1%増の1,609百万円、ヨーロッパは同5.7%増の1,453百万円となった。

自動車市場向けの部品はほぼ100%が日本国内向けの売上であるため、コロナ禍による自動車販売台数の伸び悩みの影響を受け、前期と横ばい水準となった。米資本の取引先は、米中の貿易摩擦の影響により中国からASEAN諸国へ生産工場を移設する動きが見られる。それに加えてゼロコロナ政策の影響もあり、中国地域の売上高は減少した。他地域より早くコロナ禍前の経済を取り戻したその他アジア地域の売上高は増加した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

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