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6485 前澤給装工業

東証S
1,295円
前日比
-1
-0.08%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.4 0.72 2.78 3.30
時価総額 278億円
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前沢工業, 
ユーシン精機
決算発表予定日

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前澤給装 Research Memo(4):2023年3月期は7.7%増収、2.1%営業増益。底堅い住宅需要から増収確保


■業績動向

1. 2023年3月期の業績概要
前澤給装工業<6485>の2023年3月期の連結業績は、売上高31,008百万円(前期比7.7%増)、営業利益2,184百万円(同2.1%増)、経常利益2,267百万円(同0.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,433百万円(同4.4%減)となった。新設住宅着工戸数横ばいのなかで給水装置事業、住宅・建築設備事業が堅調な伸びを示し、売上高は2期連続最高売上を更新した。

営業利益は原材料価格高騰などの影響を受け、一部で販売価格改定の効果はあったものの伸び悩んだ。ちなみに主要原材料である銅の建値については、2022年4月の133.6万円/トンをピークに、10月には117.8万円/トンまで下がったものの依然として高止まりしている。国産ナフサ価格も下落傾向にあるものの未だ前年度末水準と下げ渋っている。

(1) 給水装置事業
給水装置事業は売上高16,250百万円(前期比5.2%増)、セグメント営業利益4,331百万円(同1.7%増)となった。底堅い配水管布設替工事の需要や住宅需要に下支えされたこともあり、配水管布設替工事への納入を継続して確保したほか、耐震性や施工性に優れた製品の提案活動の推進、緩やかな価格改定の効果により増収となった。地域別売上でも北海道を除き増収を確保した。利益面では、銅の価格高騰があったが生産活動の効率化に努め、増益となった。

(2) 住宅・建築設備事業
住宅・建築設備事業は売上高12,273百万円(前期比12.8%増)、セグメント営業利益1,990百万円(同9.0%増)と堅調に推移した。新設住宅着工戸数がほぼ横ばいで推移するなかで、既存ビジネスの強化、さらには空調関連事業などの販売強化で増収を確保、地域別では主力の関東の伸びが大きかった。利益面では低採算品などの販売見直し等で利益率の改善もなされた。

(3) 商品販売事業
商品販売事業は売上高2,484百万円(前期比1.3%増)、セグメント営業利益231百万円(同4.0%減)となった。樹脂製品の売上が拡大したものの、仕入価格の高騰から営業減益となった。

2. 財務状況と経営指標
2023年3月期の資産合計は前期末比976百万円減少し、44,643百万円となった。このうち流動資産は同1,130百万円減の30,675百万円となった。これは主にサプライチェーン対策の見直しにより現金及び預金が3,065百万円減少し、商品及び製品が1,053百万円増加したことによる。自己資本比率は85.6%(前期末は82.5%)と引き続き高水準を維持している。また、流動比率は547.6%(同446.7%)と高位を維持している。

2023年3月期末のキャッシュ・フローについて、営業活動によるキャッシュ・フローは1,272百万円の支出となった。これは主に、税金等調整前当期純利益が2,154百万円生じたものの、売上債権の増加や仕入債務の減少等で1,136百万円減、たな卸資産で1,307百万円減が影響したことによる。投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資増などの影響により支出が増え731百万円の支出となり前期末比で拡大した。これらの結果、2023年3月期はフリーキャッシュ・フローがプラスからマイナスに転じ、2,003百万円減となったが、現金及び現金同等物の期末残高は10,498百万円となり、潤沢な水準を維持したと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《AS》

 提供:フィスコ

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