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6430 ダイコク電機

東証P
3,480円
前日比
-25
-0.71%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.3 1.27 3.45 2.50
時価総額 514億円
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決算発表予定日

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ダイコク電 Research Memo(6):2017年3月期は大幅な営業増益を実現、開発費の一巡により収益性が向上


■決算動向

2. 2017年3月期決算の概要
ダイコク電機<6430>の2017年3月期の業績は、売上高が前期比13.4%減の40,714百万円、営業利益が1,048百万円(前期は894百万円の損失)、経常利益が1,374百万円(前期は749百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が502百万円(前期は1,676百万円の損失)と減収ながら大幅な増益により、黒字転換を実現した。期初予想に対しても、売上高が下回ったものの、利益面(最終利益を除く)では上回る結果となった。

昨年(2016年6月~12月)実施された「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の回収・撤去(以下、「回収・撤去」)の影響など厳しい市場環境が続く中で、売上高は情報システム事業及び制御システム事業ともに計画を下回って低調に推移した。特に、情報システム事業はパチンコホールの新規出店の減少や周辺機器入替への投資意欲の冷え込みなどにより大きく落ち込んだ。また、制御システム事業も前期に比べて伸びたものの、遊技機メーカーの販売スケジュールの見直しなどの影響により、計画を大きく下回る結果となっている。

ただ、利益面では、原価率の低下に加えて、販管費の大幅な削減により、計画を上回る営業増益を実現した。原価率の低下は、情報システム事業において新製品の販売が好調であったことなどが寄与した。また、販管費の大幅な削減は、次世代製品開発のピークとなった前期と比べて、研究開発費が一巡(一部期ずれも発生)したことによるものである。また、保険積立金の解約に伴う収益金(137百万円)を営業外収益に計上している。一方、最終利益だけが計画を下回ったのは、子会社によるゲームソフト販売において、コンテンツの固定資産を減損処理(227百万円)し、特別損失に計上したことが理由である※。

※ゲーム業界の販売期間が短縮化していることや今後のキャッシュフローの回収可能性を検討した結果、減損処理を行ったものである。


財務面では、総資産が保険積立金の解約等により前期末比0.7%減の46,828百万円に減少した一方、自己資本も配当金の支払い等により同0.5%減の29,151百万円となったことから、自己資本比率は62.3%(前期末は62.1%)とほぼ横ばいで推移し、高い水準を維持した。また、有利子負債も3,300百万円(前期末比2,200百万円減)に減少している。

事業別の業績は以下のとおりである。

(1)情報システム事業は、売上高が前期比20.0%減の27,260百万円、セグメント利益が同32.2%増の3,011百万円と減収ながら大幅な増益となり、セグメント利益率も11.0%(前期は6.7%)に大きく改善した。計画に対しても、売上高が下回ったものの、利益では上回る結果となっている。

売上高は、「回収・撤去」の影響など厳しい市場環境が続く中で、パチンコホールの新規出店の減少や周辺機器入替への投資意欲の冷え込みなどにより大きく落ち込んだ。厳しい業界環境を踏まえ、もともと保守的な計画をしていたものの、それをさらに下回る結果となった。特に、ホールコンピュータシステムの販売台数が前期比37台減の76台(期初計画は100台)にとどまるとともに、周辺機器全般が低調に推移した。

ただ、セグメント利益が計画を大きく上回ったのは、新型情報公開端末「REVOLA」の販売が既存店向けに好調に推移(計画比120.4%)したことに加えて、研究開発費が前期比43.5%減の2,240百万円(計画比83.0%)に減少したことが理由である。なお、研究開発費の減少は、周辺機器を含めた次世代ホールシステム(以下、次世代製品群)の開発がピークアウトしたことが背景である。また、同社が安定収益源として推進しているMGサービスの売上高も前期比8.1%増の4,143百万円と順調に拡大している。したがって、外部環境の影響によって売上高は縮小傾向が続いているが、当事業における収益性は改善に向かっているものと評価することができる。

(2)制御システム事業は、売上高が前期比4.1%増の13,515百万円、セグメント損失が306百万円(前期は1319百万円の損失)と増収増益となり、損失幅が縮小した。ただ、計画に対しては、売上高、利益ともに大きく下回っている。

売上高は、「回収・撤去」に加えて、伊勢志摩サミット開催に伴う遊技機の入替自粛規制などの影響により、遊技機メーカーの販売スケジュールが大きく見直されたことにより、表示ユニットの販売台数及び周辺部品の販売数量が大きく減少したことがこの商品分野において減収を招いた要因である。一方、自社開発パチスロ遊技機においても2機種(前期は1機種)の市場投入により前期比で増加したものの、1機種が期ずれとなったことから計画を下回る結果となった。

利益面でも、前期における一過性の要因※の解消や研究開発費の減少により、前期にくらべて損失幅は縮小している一方、売上高が計画を下回ったことから3期連続でセグメント損失を計上した。

※パチンコ遊技機の専用部材等の評価替えに伴う損失

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MW》

 提供:フィスコ

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