信用
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6198 キャリア

東証G
362円
前日比
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時価総額 31.2億円
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カナミックN Research Memo(7):クラウドベンダーからプラットフォーマーへ


■中長期の成長戦略

1. プラットフォーム化戦略
カナミックネットワーク<3939>の成長戦略は、クラウドベンダーとして成長することのみならず、プラットフォーマーに進化する点にその核心がある。同社が公開したプラットフォームのビジョンには、カナミッククラウドサービスを基盤として、AIやIoT等のシステム連携、FinTechとの連携、シェアリングエコノミーとの連携が描かれている。各サービスは適切なパートナー企業との連携がカギとなる。

AI・IoTなどのシステム連携の具体例としては、ケアプランシステム×AI、遠隔医療×IoT、多言語化、業務基幹システムなどが想定されており、一部は既に具現化されている。FinTech連携の具体例としては仮想通貨等、ファクタリング、各種決済、Tポイント等がある。介護に関連する決済は、セキュリティや面倒を軽減するニーズが高いが、一方でキャッシュレス化が遅れている。シェアリングエコノミー連携では、スタッフ人材、介護施設、介護用品・車両などが対象となる。人手不足が深刻な介護業界において、人の偏在を解消するマッチング機能が求められている。

介護におけるIoT活用は、その全貌が明らかになりつつある。同社は、2017年2月に、総務省が実施する「IoTサービス創出支援事業」に係る委託先候補に選定された。総務省が選定したのは17の企業・団体で、介護分野では同社だけが選定された。目的は、介護施設において多様な医療・介護センサデータを日々蓄積し、効果的に活用することで、利用者一人ひとりにとっての質の高い介護を提供し、介護スタッフの負担を軽減する業務モデルを実証することである。具体的には、まずIoT機器(ベッドセンサー、エアコンセンサー、服薬管理カレンダーなど)からのデータを被介護者に負担のかからない方法で取得する。集まったビッグデータはAIを活用して解析され、見える化される。これらを有効活用することで介護者の業務負荷を軽減し、サービスを個別化・高度化するというものだ。IoTサービス創出支援事業では、IoT・ビッグデータ時代におけるデータ利活用を促進するモデルを構築するとともに、必要なルールの明確化等を行うことを目的としており、ここでの成果が全国におけるスタンダードとなる可能性が高い。同社プラットフォーム化戦略の柱となるサービスにしたい考えだ。

また、同社は2017年9月にキャリア<6198>との業務提携を発表。アクティブシニアの就労機会の創出を推進するシニアワーク事業、看護師及び介護士等の有資格者の人材派遣を行うシニアケア事業を行っているキャリアと同社のクラウドサービスを利用する事業者が迅速に人材供給を行う体制の構築を目指す。

2. 子育て支援システム
「人生を抱きしめるクラウド」をテーマとする同社にとって、子育て支援は重要なサービスである。人生を通した生活データ(ライフログ)や健康データ(パーソナルヘルスレコード)は子供時代から蓄積しておくのが望ましい。例えば、ある個人が予防接種をいつ受けたという情報は、個人にとっても社会にとっても蓄積してログを残しておく価値がある。現状、同社の子育て支援システムは、地方創生事業の枠組みの中で活用されており、自治体から両親への情報配信、電子母子手帳機能を拡張した子供のブログ機能、ママ友ネットワークのSNS機能などをクラウドで提供している。具体事例としては、2017年6月に山梨県笛吹市では同社の子育て支援システムを活用した公式アプリ「ふえふき子育て広場」を導入した。行政担当者や医療・保育分野の専門職に気軽に相談ができる相談機能や子供の身長・体重などの成長グラフや食事・睡眠といった日々の生活記録や写真などを記録・共有できる成長記録機能(電子母子手帳)などが搭載されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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