貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

6183 ベル24HD

東証P
1,571円
前日比
-2
-0.13%
PTS
1,572円
14:56 05/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.4 1.73 3.82 51.30
時価総額 1,159億円
比較される銘柄
トランスコス, 
エスプール, 
スカラ

銘柄ニュース

戻る
 

ベルシス24 Research Memo(8):音声・CRMデータ基盤の強化等で新事業モデルを推進する(1)


■中期経営計画

2. 3つの重点施策と社会的課題への取り組み
ベルシステム24ホールディングス<6183>は中期経営計画における具体的戦略として、(1)社員3万人の戦力最大化、(2)音声データ活用によるDX推進、(3)信頼と共創のパートナー成長、の3つを計画達成の重点施策として推進している。同時に、企業理念やESGを踏まえ、社会課題解決にも前向きに取り組む姿勢である。

(1) 社員3万人の戦力最大化
第1の重点施策として、社員3万人の戦力最大化を図る。特に経験豊富な人材を活用するため、在宅コンタクトセンターの増設を計画する。計画策定時点で、同社は社員3万人弱(契約社員を含む)を擁し、北は北海道から南は沖縄まで、全国でコールセンター業務を展開。自社センター拠点数は37拠点、自社保有席数は約18,000席超で、さらにサテライト席数(顧客先のコールセンターで業務を行う)約15,000席を保有していた。

中期経営計画では、この3万人の機動力や現場オペレーション力のさらなる強化、定着率向上による品質と対応スキルの高度化、働き方改革の推進(在宅コンタクトセンターの増強)、安心して働ける環境の提供(パンデミック対応)などを実施する。特に、社会を支え、品質を担保する人材を働きやすさで支えるために、在宅ワーク増強に注力し、在宅席数を中期経営計画の最終年度に4,000席に大幅増設する計画だ。

社会からは、多様な人材の活躍や新たな雇用の創出が求められている。同社のクライアント企業では、体制の柔軟化やBCP対応の必要性が高まっている。そして、同社の従業員からは、働き方を選べる環境や介護・育児との両立を求める声が大きい。そうした現状を踏まえれば、最新のテクノロジーを活用した在宅コンタクトセンターは、社会、クライアント、同社従業員の三者のニーズを満たし、Win-Winの関係を作り上げるものと言えるだろう。今後も業容拡大を目指す同社にとっては、オペレーターの確保が重要課題の1つである。最近の技術進歩により、顧客へのサポート業務をコールセンター拠点以外の場所でも提供できるようになった。地方に住む人や、育児・介護と仕事を両立したい人など、時間や場所の制約がある人も、コールセンター拠点に勤めるオペレーターと同レベルの業務を行うことが可能になっている。コロナ禍をきっかけに、在宅勤務を希望するオペレーターが増えている。在宅コンタクトセンターは、人材の確保と、どういう状況下でもセンターをクローズさせないというBCP対応を両立させるものである。同社の計画は、どのような非常時においても、社会インフラとしての役割を果たしたいとの考えに基づくものと言えるだろう。

中期経営計画初年度の2021年2月期末には、在宅勤務を約8割の社員が活用し、在宅コンタクトセンターは約1,300席に拡大。2022年2月期末には2,300席に増加している。最終年度の2023年2月期末には4,000席への増加を計画しており、在宅コンタクトセンターの増強は順調に進捗している。このように、社員3万人の戦力最大化に向けて、着々と「新しい働き方」を実現している。

同社では、これまでも退職抑止、採用力強化、現場人材管理の精微化を推進してきた。継続雇用期間6ヶ月を経過したコールセンターの現場管理者やスタッフなどの有期雇用社員約22,000人を2017年10月より順次正社員に登用。さらに、2018年12月には契約社員の待遇向上を実現する新人事制度を導入し、社員のライフスタイルに合わせた働きがいのある評価制度の運用を開始している。また、2019年8月には、従来はスキル不足により採用を見送っていた人材を確保し、就業支援を行うことで即戦力化するための施設「SUDAchi(すだち)」を札幌に開設した。現在では全国の各拠点で展開しており、こうした就労支援の結果、人材の定着率も高まっている。2019年7月には、沖縄、福岡に続き全国3ヶ所目の企業内保育園を札幌オフィス内に開設し、産休・育休明けの従業員の復職や育児と仕事の両立を支援している。このような数々の施策は、優秀な人材確保こそが同社成長の基盤であるとの考えに基づくものと言えよう。

同社は2021年6月に本社オフィスを移転したが、新オフィスはDX推進と、従業員のエンゲージメント向上(会社に対する愛着や貢献の意志をふかめること)を目的に、次世代コンタクトセンターサービスのデモ体験が可能なショールームや、オンライン会議に適した個人向けブース、社内コミュニティスペースなどを配置したオフィス設計となっている。さらに、2022年1月には、在宅コンタクトセンター拡大に向けた、応募から配属までの採用プロセスのオンライン化を実現している。従来は来社を前提としていた面接・入社手続き・研修を完全オンライン化して、地域を超えて、24時間いつでも対応可能となった。応募者の利便性向上だけでなく、同社にとっても作業の効率化につながるものである。以上のように、社員3万人の戦力最大化の実現に向けて、着々と成果を上げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均