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6167 冨士ダイス

東証P
672円
前日比
-6
-0.88%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.9 0.65 3.27 2.06
時価総額 134億円
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決算発表予定日

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冨士ダイス Research Memo(3):コストアップ等で1.8%増収、3.3%営業増益に(1)


■業績動向

1. 2023年3月期の業績概要
冨士ダイス<6167>の2023年3月期業績は売上高17,179百万円(前期比1.8%増)、営業利益1,150百万円(同3.3%増)、経常利益1,225百万円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,292百万円(同63.4%増)と、半導体関連及び自動車電動化関連の需要増が上海ロックダウンや引抜鋼管の需要低迷による鉄鋼向け需要減などで相殺され、売上高は微増となった。利益面では生産性向上、業務改善等の成果があったものの、原材料、電力・燃料のコストアップが響き、一部価格改定に着手したものの営業利益は3.3%増にとどまった。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益は、2021年6月に閉鎖した旧大阪工場跡地(1,643m2)を経営資源の有効活用による資産の効率化と財務体質の強化を図るため譲渡(譲渡益約509百万円)したことを含めた固定資産売却益632百万円の計上があったために63.4%増と大幅増益となった。またこれに伴い期末配当は10円の増配、年間32円配当となった。

製品別による売上高の動向は、超硬製品全体はプラスであったが超硬以外の製品が減少した。超硬製工具類では半導体関連需要が続き関連工具販売が好調に推移、熱間圧延ロール販売が市況軟化で減少したが、全体では4,571百万円(前期比5.2%増)となった。超硬製金型類は自動車の電動化に伴い車載リチウムイオン二次電池用金型が好調に推移、光学素子成形用金型や製缶金型も堅調に推移した結果、売上高4,219百万円(同5.9%増)となった。その他の超硬製品では中国向け素材販売が低調に推移したものの、一部の半導体関連の需要が堅調で、売上高4,261百万円(同0.1%増)を確保した。超硬以外の製品ではセラミックス工具の販売は好調だったものの自動車部品用製鋼金型や引抜鋼管が低調で、売上高4,127百万円(3.8%減)にとどまった。

営業利益の増減要因では、増収効果で305百万円の増益要因に対し、材料費高の影響272百万円、その他変動費の増加338百万円などがかさんだものの、外注加工費抑制で204百万円、人件費減108百万円、その他固定費減58百万円などのコスト削減を図り、全体で営業微増益を確保した。

2. 顧客産業分類別の状況
2023年3月期の単独ベースでの主要産業分類別売上動向では増減まちまちとなっている。最大仕向け先である輸送用機械向けは自動車生産の回復が進まず、前期比5.0%減の2,670百万円(計画比390百万円未達)となった。鉄鋼関連も同2.3%減の2,570百万円(同60百万円減額)と、自動車部品生産の回復が遅れ減収となった。非鉄金属・金属製品向けは製缶金型等の販売が好調で5.1%増の2,260百万円(同110百万円増額)となった。生産・業務用機械向けは半導体製造装置向けや光学素子向けの販売が好調で同17.8%増と唯一2ケタの伸びとなり2,050百万円(同310百万円増額)となった。電機・電子部品向けは車載用電池向け製品が好調で、半導体向けが伸び悩むも同7.0%増の1,830百万円(同120百万円増額)となり、2期連続で過去最高を記録した。金型・工具向け素材は上海ロックダウン後の中国経済停滞で素材販売が不振となり、6.9%減の2,310百万円(同170百万円増額)にとどまった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

《SI》

 提供:フィスコ

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