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6069 トレンダーズ

東証G
1,155円
前日比
+20
+1.76%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.8 2.75 2.25 39.99
時価総額 92.3億円
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決算発表予定日

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トレンダーズ Research Memo(7):美容マーケティング領域とメディカルマーケティング領域にリソースを集中


■今後の見通し

1. 2024年3月期業績の見通し
トレンダーズ<6069>の2024年3月期業績は、売上高6,215百万円(前期比31.6%減)、営業利益1,150百万円(同13.7%増)、経常利益1,150百万円(同12.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益780百万円(同10.0%増)を見込んでいる。今期より変更した計上方法で算出した前期売上高は5,471百万円となり、実質的には同13.6%の増収を見込む。マーケティング事業において選択と集中を行い、美容カテゴリへ注力することにより、売上高6,021百万円と前期比27.0%増の成長を計画している。なお、美容以外のカテゴリの既存顧客に対しては、美容以外の担当チームを編成し取引を継続しており、新規受注に向けた営業も実施するが、あくまでも注力は美容カテゴリの顧客というスタンスだ。美容マーケティング領域においては、化粧品メーカーが保有するブランドとの取引数拡大と1ブランド当たりの受注額向上を図り、成長を確保していく計画である。

具体的には、メーカー担当者、流通・広告代理店関係者などへのMimiTVの認知度を上げながら、アイテム別には得意とするスキンケアだけでなく、従来取り組みが弱かったメイクアップにも注力する。また、販路別にはドラッグ・バラエティストアカテゴリの取引ブランド数の拡充を図りつつ、百貨店ブランドの取引増加も目指す。加えて、美容マーケティングメソッドの開発及びSNS分析・プランニング力を強化するとともに、SNSプラットフォームのトレンドを捉えたソリューションを開発することにより、企画段階から実行までの統合的なソリューション提供力を強化し、1ブランド当たりの受注額を向上していく。2023年4月に子会社化したCARAFULはTikTokインフルエンサーを活用したマーケティング施策を提供しており、同社と連携したTikTokソリューションの強化が期待される。

メディカルマーケティング領域においては、業務提携した医療アートメイク、再生医療(毛髪再生)に特化して注力していく方針である。インベストメント事業については、有価証券売却収益などは見込まず、前期比73.4%の減収を計画している。利益面では、美容マーケティング領域、メディカルマーケティング領域ともに積極的な投資を行っていくが、マーケティング事業の成長による粗利益の増加でカバーし、2023年3月期並みの営業利益率18.5%を確保する計画である。美容マーケティング領域の投資は、MimiTVの認知拡大施策に2.5億円、マーケターなどの人材採用に0.5億円、メディカルマーケティング領域の投資は、マーケティング・運営DX支援体制構築のための人材採用や先行的マーケティング費用に1.5億円、メディア構築・運営、集客施策などのメディア開発費用に0.5億円を計画している。

2. 中期経営計画
同社は、2021年に公表した中期経営計画において、2024年3月期までに営業利益10億円達成を目標として掲げていた。しかし、2023年3月期に1年前倒しで目標を達成したため、2023年5月に新たな中期経営計画を発表した。2024年3月期よりマーケティング事業において選択と集中を行い、「美容マーケティング」と「メディカルマーケティング」の2つの領域を核として、2026年3月期に売上高100億円、営業利益20億円の達成を計画している。インベストメント事業については、2025年3月期以降も収益は発生する見込みではあるが売上目標には含めていない。美容カテゴリにおいては、SNSが消費者の購買行動へ及ぼす影響が大きく、同社の顧客の大半が属する化粧品業界の広告費の配分は、TVCM・雑誌広告からWebメディア、インフルエンサー・SNS広告へとシフトが急速に進んでいる。一方、食品・飲料・情報・通信など美容以外のカテゴリではSNSマーケティングの需要が美容ほど強くないため、美容マーケティング領域において競合優位性を持つリソースを、需要が好調に推移している美容カテゴリにおけるSNSマーケティングの支援に集中し、効率的な成長を確保する戦略である。美容マーケティング領域の売上は年平均成長率20%を見込んでおり、2026年3月期で売上高84億円、営業利益19億円を計画している。そのために、化粧品メーカーが保有するブランドとの取引数拡大と1ブランド当たりの受注額向上を図り、成長を確保する計画だ。具体的には、メーカー担当者、流通・広告代理店関係者などへのMimiTVの認知度を上げながら、アイテム別・販路別にそれぞれ取り組みの弱かったメイクアップ、百貨店カテゴリの取引ブランド数の拡充を図る。また、美容マーケティングメソッドの開発及びSNS分析・プランニング力を強化するとともに、SNSプラットフォームのトレンドを捉えたソリューションを開発することにより、企画段階から実行までの統合的なソリューション提供力を強化し、1ブランド当たりの受注額を向上していく。

第2の柱と考えるメディカルマーケティング領域においては、拡大する美容医療市場において美容クリニックに対し、レベニューシェアという形で、SNS広告運用、Webサイト開発、オンライン予約システムの導入などのマーケティング・運営DX支援を実施する。また、美容クリニック100院以上との取引実績をベースに、クリニック専売化粧品などの開発・卸販売を強化していく。レベニューシェアに至るまでは投資が先行するが、2026年3月期には売上高16億円、営業利益1億円を見込んでいる。

2024年3月期及び2025年3月期は、経営目標達成に向けた投資期と位置付け、2領域に積極的な投資を行う計画としている。それぞれ2年間の投資額は、美容マーケティング領域においては、MimiTVの認知拡大施策に3.5億円超、人材採用に1億円を計画、メディカルマーケティング領域においては、マーケティング・運営DX支援体制の構築に3億円、メディア開発に1.5億円を計画している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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