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【特集】雨宮京子氏【日経平均は異彩放つ急反騰、更なる上値はあるか】 <相場観特集>

雨宮京子氏(雨宮総研 代表)

―米株高を横目に3万3000円視野、カギを握る個別株戦略―

 6日の東京株式市場は買い優勢の地合いが加速、空売り筋の買い戻しを誘発して日経平均株価は一時800円超の上昇をみせた。前週末の東京市場は祝日に伴い休場だったが、前週後半の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って上値追い基調を強めており、きょうはその強気トレンドに相乗りする形となった。日経平均は3万3000円台回復が見えてきたが、ここは強気に追撃して報われるのか。また、物色対象も気になるところだ。全体相場の先読みや個別銘柄の選別眼で定評のある雨宮京子氏に話を聞いた。

●「全体は一段の上昇余地も個別は二極化へ」

雨宮京子氏(雨宮総研 代表)

 目先は日経平均が急速な上値追い態勢にある。目先的にはスピード警戒感が拭えないが、中期的に見て一段の上昇余地がありそうだ。まず、上下に荒い値動きなのでなかなかトレンドがつかみにくいが、ボックス圏の推移であることは確かで、日経平均の下値について言えば3万円が強力なサポートラインとなっている。つまり、3万円トビ台に入った時は絶好の買い場となりやすい。向こう1ヵ月の日経平均のレンジは下値が3万500円、上値が3万3500円程度とみている。

 懸念すべきは米長期金利の上昇だが、ここに来て米10年債利回りは想定外の低下局面に入っている。一方、先の日銀金融政策決定会合でも明らかとなったように、国内の金融政策の方は大きな変更はみられない。日銀の超緩和姿勢が変わらなければ、米長期金利が既に頭打ちであっても為替市場では円安水準がキープされると考える。これは全体企業業績に追い風となり、EPS上昇効果となって日経平均にも純粋にプラスに作用すると思われる。脚光を浴びたトヨタ自動車 <7203> [東証P]の決算がその象徴である。

 一方、株式需給面では裁定買い残がピーク時の1兆5000億円から直近は6000億円前後まで急減している。これは過去数年間におけるボトムゾーンで、相場の上値を軽くしているようだ。足もとではこれに個別企業のファンダメンタルズ要因が加わる。企業の決算発表が佳境を迎えている。好決算企業を中心に、今後は全体指数とは関係なく二極化が進む可能性がありそうだ。

 個別株では、まず配当利回りの高い銘柄でゆうちょ銀行 <7182> [東証P]をマーク。また、村田製作所 <6981> [東証P]は春先に抱えていた在庫の調整が一巡し、株価はアップル<AAPL>関連で売り込まれた反動から意外高も期待できる。自動車周辺株ではプレス機械を手掛けるアイダエンジニアリング <6118> [東証P]や、車載電装品などを主力とするサンコー <6964> [東証S]に着目したい。このほか、食材卸の大手で外食産業回復の恩恵を受ける久世 <2708> [東証S]もマークしたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(あめみや・きょうこ)
雨宮総研 代表。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券投資情報部などを経て現在、日経CNBCに出演中。

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