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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「反転信号が灯る、3万2000円台に挑戦へ」

株式評論家 富田隆弥

◆11月1日の日経平均株価は前日比742円高の3万1601円と大きく続伸し、厳しかった10月相場から出直りの気配をにじませた。この急伸の背景には、日銀金融政策決定会合の結果を受けて1ドル=151円台へ円安が加速したことに加えて、10月31日の米国株の上昇がある。だが、それ以上に見逃せないのが、秋特有の「需給」とチャートの「底値示唆」がある。

◆10月はヘッジファンドの決算に絡んで売りが出やすい月である。本年は米国株が下落局面にあったところに中東情勢の緊迫が加わり、投資家は一段と「リスクオフ」の姿勢を強めた。このため、市場には売り(ショート)が溜まっていた。しかし、株価が反発をみせると、売り方の買い戻し(ショートカバー)を誘い、相場は上昇しやすくなる。これが11月相場の需給の「アノマリー(経験則)」であり、昨年、一昨年も同様の動きを示していた。

◆日経平均株価のテクニカル指標は、順位相関指数(RCI)や騰落レシオ(10月25日時点に74.4%)が底値を示唆し、株価は10月4日安値の3万0487円と200日移動平均線(11月1日時点、3万0383円)を割り込むことなく下値を固めていた。NYダウとナスダックの日足は厳しい三段下げとなったが、ともにRCIは底値を示唆し、当面の調整は一段落しやすい。

◆11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は本稿執筆時点では判明していないが、日銀会合を機に切り返した日本株同様に、米国株もここから切り返す可能性がある。そして反発に転じれば、11月中旬から12月にかけて上昇に弾みをつけてもおかしくない。とはいえ、チャートの上値には多くの節があり、日経平均株価は75日線、13週線、26週線が集まる3万2000円近辺が当面のポイントになる。また、米国の暫定予算の期限(11月17日)も迫っており、調整を挟みながら11月中旬にかけて上昇していく波形をまずはイメージしておきたい。

(11月1日 記、次回更新は11月11日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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