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4783 NCD

東証S
1,780円
前日比
-14
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.8 2.47 2.81 26.61
時価総額 157億円
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決算発表予定日

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NCD Research Memo(10):中期経営計画「Vision2026」で利益率向上に向けた変革を加速


■NCD<4783>の成長戦略

2. 中期経営計画「Vision2026」
2023年5月には、持続的成長と企業価値向上を目指して2032年のありたい姿(NCDグループビジョン)を検討し、基本方針を「より収益性の高い企業への変革を図り、NCDグループの持続的成長へ繋げる」「新しい事業領域への挑戦により、第3の事業柱を構築する」「NCDグループで働くことに幸せを感じ、かつ成長することのできる“Well-beingカンパニー”を目指す」とした。2032年の目標値は売上高400億円、営業利益40億円、営業利益率10.0%とした。

そして、ありたい姿からバックキャストした中期経営計画「Vision2026」(2024年3月期~2026年3月期)を策定した。基本方針は、「既存ビジネスの付加価値向上と新しいビジネスの創出によるさらなるNCDバリューの追求(IT関連事業とパーキングシステム事業のさらなる連携強化、新規事業創出制度化による第3の事業柱構築に向けた新しいビジネスの追求)」「企業価値向上に向けた経営基盤の強化(サステナビリティ経営の推進、人材の価値を最大限に引き出す人的資本経営への取り組み強化、DX推進によるビジネス変革と持続的成長への貢献)」「最適なグループ事業体制の再構築(事業シナジーを最大化する組織体制の追求)」とした。方向性としては、業界平均よりも低い収益性の改善、事業部間連携の強化、新規事業領域への取り組み強化、既存事業の付加価値向上、人材の確保と育成、働きがいへの取り組み強化など、既存ビジネスの土台固めと長期的視点による投資を行い、次期中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)及び2032年のグループビジョン目標達成に向けた飛躍に繋げる方針としている。

中期経営計画「Vision2026」では資本コストと株価も意識した経営を推進する方針として、数値目標に最終年度2026年3月期の売上高260億円、営業利益18億円、営業利益率6.9%、ROE15.0%以上を掲げている。投資計画はパーキングシステム事業に係る駐輪場設備投資を除いて、3ヶ年合計18億円(人的資本投資7億円、研究開発・新規事業関連投資6億円、その他投資5億円)としている。セグメント別の目標数値は、システム開発事業の売上高が110億円、セグメント利益(全社費用等調整前)が15億円、セグメント利益率が13.6%、サポート&サービス事業の売上高が80億円、セグメント利益が9億円、セグメント利益率が11.3%、パーキングシステム事業の売上高が70億円、セグメント利益が11.5億円、セグメント利益率が16.4%としている。また株主還元方針として連結配当性向の目安を30%以上とした。

IT関連事業では、高付加価値サービス提供型への変革、ITフルアウトソーサーとしてのユニークなポジションの確立を目指し、提供サービス・顧客基盤・体制の強化、アウトソーシングビジネスのさらなる拡大を推進する。パーキングシステム事業では、リーディングカンパニーとしての強固な地位の確立、駐輪場事業で培った強み・ノウハウの新事業領域への展開を目指し、構造改革プロジェクトの完遂による収益基盤安定化、提案型ビジネスの推進と新サービスの提供を通じた高付加価値ビジネスの創出などを推進する。コーポレート部門では、サステナビリティ経営・人的資本経営・ガバナンス態勢高度化を推進し、プライム上場企業に求められるガバナンス水準を目指す方針としている。

なお、新規事業創出に関しては、戦略の一環として事業アイデア公募制度「co-do project」を開始し、事業アイデアのプレゼン選考会を実施するなど、多方面的な取り組みを展開するとしている。またサステナビリティ経営に関しては、マテリアリティを各部門施策に反映してKPIモニタリングをスタートした。今後は非財務情報開示の拡充に向けた取り組みを強化するとしている。人的資本経営については、人材戦略の基本コンセプトとして「自律的なキャリア形成と対話を通じた組織風土の変革」を掲げ、人材開発と組織開発を両輪とした人材マネジメントの変革を図るとしている。

下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「中期経営計画「Vision2026」では、利益率の向上を重視して各種取り組みを推進するとともに、サステナビリティ経営を意識しながら、2032年のグループビジョン達成に向けて変革や新分野へのチャレンジを加速させたい。2026年3月期の目標値の達成は決して難しくないと考えており、将来的なプライム市場上場も目指して企業価値の向上を図っていきたい。そのために業績の向上だけでなく、IR活動も強化してメディアへの露出も増やしていきたい。」と意気込みを語っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《HH》

 提供:フィスコ

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