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2016年07月14日16時25分

ソフトバンテク Research Memo(3):今後、SBTクラウドの拡大によって利益率は一層の向上も


■2016年3月期決算

(2)業績の分析

a)過去最高の業績を達成できた重要な要因-「SBTクラウド」を活用したビジネスモデルの確立
過去最高の業績を達成した主な要因として、特に注力事業であるマイクロソフトソリューションとデータアナリティクスが大きな伸びを見せたことが挙げられる。

利益に関しては、1.利益率の高い注力3事業の売上高が大きく伸長したこと、2.大型案件による利益の上乗せ、3.プロジェクト管理の徹底により、大型案件で不採算案件の発生がゼロ‐といった点が大きな増益要因として挙げられる。

ソフトバンク・テクノロジー<4726>はこれまで構造改革を進めてきたが、構造改革を通して得られた成果により過去最高業績を達成できたと考えられる。これらの成果としては以下の3つが挙げられる。1.「マイクロソフトアジュールを活用したソフトバンク・テクノロジークラウド(以下SBTクラウド)」という同社ならではのビジネスモデルが確立されたこと、2.人員の拡充とプロジェクト管理体制の強化により大型案件獲得ができ、業界・業種別のサービスに関するノウハウが蓄積されたこと、3.ソフトバンクグループとの連携強化が実現したことの3点である。

また、この3点の中でも最も注目すべきなのが、「SBTクラウド」というビジネスモデルの確立である。クラウドソリューション(マイクロソフトソリューション事業)、セキュリティ(セキュリティソリューション事業)、ビックデータの収集と分析(データアナリティクス事業)の3つのサービスを融合することによって、クラウドコンピューティングにおけるコミュニケーションインフラを中心としたノンコア業務(収益に直接関係のない業務領域)はもちろん、コア業務(収益に関係する業務領域)も含めたサービスをワンストップで提供できる体制が整った。現在、クラウドでは、マイクロソフトアジュールと、アマゾンウェブサービスが市場を争っているが、このうち、オンプレミスの時代から大手を始め企業の多くがマイクロソフト製品を採用していたなどの理由から、マイクロソフトアジュールは企業向けでは選択における優位性を持つと考えられる。そのマイクロソフトのクラウドサービスとなるアジュールで、同社はワンストップでサービスを提供できるようになったわけである。これにより、同社は「企業向けのクラウドならばソフトバンク・テクノロジー」という“企業ブランド”も確立したと言える。

実際、2016年3月期の注力3事業の売上高は合計で前期比22.4%増の110億円となった。注力事業としてスタートした2013年3月期に比べわずか3年で約4倍の金額になった。同社が独自開発したクラウドサービスのユーザーの累計数は2016年3月期末には前期末比で15万ユーザー増の44万ユーザーとなった。マイクロソフト社のクラウドサービスであるOffice 365なども加えた国内エンタープライズ企業向けの「取扱クラウドサービスユーザー」は100万ユーザーを超え、国内ではトップクラスの規模を誇るまでに成長した。

なお、注力事業別の売上高は、マイクロソフトソリューション事業が前期比64.1%増の4,940百万円、データアナリティクス事業が45.5%増の2,432百万円と「SBTクラウド」を活用したサービス提供の効果が数字に表れている。セキュリティソリューション事業は同4.0%増の3,628百万円にとどまったが、これは、2017年3月期から本格的に発売する新サービス「マネージド・セキュリティ・サービス(クラウド上のウェブサイト、メール、サーバーの監視を、同社のセキュリティ専門家が技術サポートまでを一括して提供するサービス)」への移行を控えていることに伴うものであり、2017年3月期からは「SBTクラウド」とのシナジーが大きく見込めるサービスとして大きな伸張を見せると期待できる。

また、注力事業別の限界利益はマイクロソフトソリューションが前期比51.6%増の1,884百万円、データアナリティクスが同34.1%増の982百万円、セキュリティソリューションが同5.9%減の1,598百万円となった。3事業の同社全体の売上高に占める割合が24%程度なのに対し、限界利益(11,940百万円)に関しては、37.4%を占めており、3事業の利益率の高さが見て取れよう。

利益率に関しては、「SBTクラウド」の拡大によって、今後は、一層の向上も期待できる。スケールメリットの効果が表れるためである。例えば、セキュリティ監視で受注数が拡大しても、監視人員が比例して必要になるわけではない。「SBTクラウド」のビジネスは、労働生産性の向上が期待できる事業でもある。

次に第2の重要なトピックスである、人員の拡充と、プロジェクト管理体制の強化により、大型案件獲得ができ、業界・業種別のサービス提供ノウハウが蓄積されたことに関して説明する。同社は阿多親市(あたしんいち)社長が就任した2012年3月から社員数の増加と技術力の向上を図ることを構造改革の柱の一つとして取り組んできた。その結果、2016年3月期には複数の大型案件の獲得ができた。2016年3月期末の社員数は連結で前期末比23人増の858人となっている。

体制的にも技術的にも大型案件が獲得できる規模まで同社が成長したことで、業界のトップ企業からの受注が増え、同時に顧客の業界がどのようなサービスを必要としているかを知り様々なノウハウが蓄積できた。業界ごとの課題や対応ノウハウを蓄積できたことで、同じ業界の顧客開拓という観点で好循環を実現できた。2017年3月期より、情報サービス、製造・建設業、流通・小売業と業界別の営業チームが組織され、各業界の顧客の深堀りができる体制になった。

続いて、第3の重要なトピックスであるソフトバンクグループとの連携による顧客基盤の強化が実現したことについて説明する。ソフトバンクグループとの連携に関しては、同社とソフトバンク(株)において、2016年3月期には定期的なミーティングの実施等相互の連携が更に強化され、法人向けのソリューション販売で、共同で顧客開拓が進められている。2017年3月期は、ソフトバンク(株)と法人向けソリューションのさらなる連携強化に加え、同社グループの自社サービスもパートナーを通じて販売する体制となった。

なお、数年前はソフトバンクグループ企業への案件対応を通じて世界の最新技術を入手したり、通信キャリアの仕事を受託したりして自社の技術力を磨くという関係だったが、現在は、同社が開発した技術をソフトバンクグループ企業に提供するようになっている。構造改革の進展によって、飛躍的に技術力が向上した点も見逃せないと言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《HN》

 提供:フィスコ

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