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4720 城南進学研究社

東証S
362円
前日比
-17
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業績
単位
100株
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時価総額 32.4億円
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城南進研 Research Memo(4):個別指導部門は2ケタ減収となるも小学生が増加傾向に(1)


■城南進学研究社<4720>の業績の動向

2. 部門別・グループ会社別の売上動向
(1) 個別指導部門
個別指導部門では、「城南コベッツ」ブランドの個別指導塾(小中高及び高卒生対象:1講師につき生徒数2名)を直営とFC方式で展開している。2023年3月期第2四半期末の教室数は、直営・FC合計で前年同期末比9教室減の239教室で、うち直営が同3教室減の48教室、FCが同6教室減の191教室となっている。

2023年3月期第2四半期累計の売上高は、前年同期比22.4%減の671百万円と減収基調が続いた。売上高の内訳を見ると、直営が同25.7%減の521百万円、FCが同8.5%減の150百万円といずれも減少したが、特に直営教室の落ち込みが大きくなった。「城南予備校DUO」14校を前期に「城南コベッツ」に統合した影響もあって高校生・高卒生を中心に生徒数が2割程度減少したことに加えて、受験学年の生徒数の構成比が低かったことで生徒当たり売上単価も同4.9%低下したことが減収要因となった。また、会社計画比でも新規入塾生が低調に推移したことで下振れた。一方、FC売上についても生徒数の減少や生徒当たり売上単価の低下が減収要因となった。

同社は従来、予備校事業を展開していたことから高校生以上の生徒数が最も多かったが、2022年9月末時点の構成比で見ると中学生の比率が41.8%(前年同期42.1%)と最も高く、次いで高校生・高卒生が35.5%(同38.8%)、小学生が22.7%(同19.1%)となっている。小学生の比率が上昇した要因としては、中学受験を希望する生徒が増加傾向にあることに加えて、直営教室に算数専門塾として人気が高まっている「りんご塾」の併設(15教場)を進めてきたことも一因と考えられる。

(2) 映像事業部門
映像事業部門では、大手予備校・河合塾のフランチャイジー(FCオーナー)として「河合塾マナビス」(高校生対象)を展開している。映像授業はビデオオンデマンド方式で授業を視聴するため、生徒自身のペースで勉強を進めることができる点が特長となっている。同社はそこに予備校運営で培った指導ノウハウを組み合わせることで差別化を図り、生徒数の獲得に成功している。競合FCは小中学生向けをメインとした学習塾が多く、受験対策や進路指導等のノウハウに関して差が出ているものと思われる。

2023年3月期第2四半期累計の売上高は、前年同期比3.0%減の969百万円と若干ながら減少した。校舎数は前年同期末比で2校増の23校となり、生徒数も同3.7%増と増加したものの、コロナ禍で制限されていた学校行事が再開されるなどの影響で、生徒当たり受講時間が減少し減収要因となった。会社計画比では生徒数、生徒当たり売上単価ともに若干下回った。

「河合塾マナビス」全体の教室数は2022年9月末時点で338校、生徒数で4万人を超える規模となっている。同社では、今後も条件に適う物件が見つかれば校舎開設を進めていく方針だ。

(3) 幼少教育部門
同社単体における幼少教育部門では、乳幼児を対象とした育脳教室「くぼたのうけん」(子会社含めて17教室)、乳幼児及び小学生を対象とした英語スクール「ズー・フォニックス・アカデミー」(直営・FC合計13校)、英語が学べる学童保育「放課後ホームステイ E-CAMP」(直営2教室)、算数に特化した個別指導塾「りんご塾」(直営・FC合計27教室)、「城南ルミナ保育園」(直営1園)を展開している。また、複数の教育サービスを1拠点で提供する「城南ブレインパーク」※を6拠点開設している。

※「くぼたのうけん」「りんご塾」「ズー・フォニックス・アカデミー」のほか、そろばんの仕組みをタブレット端末で応用した暗算教室「そろタッチ」、アート教室「アトリエ太陽の子」、プログラミング教室「Viscuit(ビスケット)」、英語で理科実験を行う「Little Scientist」、思考力・表現力を養成する「P4C Little Thinkers」を提供している(各拠点で提供可能サービスは異なる)。


2023年3月期第2四半期累計の売上高は、前年同期比2.1%減の291百万円となった。「りんご塾」については教室数の拡大により前年同期比40%増と大きく伸長し、「城南ルミナ保育園」と「放課後ホームステイ E-CAMP」は横ばい水準となった。一方で、「くぼたのうけん」「ズー・フォニックス・アカデミー」は生徒数の減少により若干の減収となった。また、「城南ブレインパーク」については「りんご塾」が伸びているものの、その他の教育サービスが伸び悩んでおり、全体では横ばい水準に留まった。

教室数の増減を見ると、「りんご塾」が前年同期比22教室増加し、「ズー・フォニックス・アカデミー」が同2校減となった以外は前年同期から変化はなかった。なお、「りんご塾」の売上高のうち「城南コベッツ」に併設した塾については個別指導部門の売上高に含めている。1教室当たりの平均生徒数は城南コベッツ併設塾で10名前後、その他については20~30名程度の規模となっているようだ。また、「くぼた式育児法」を外部の民間教育機関(幼稚園、保育園)に提供するソリューションサービスについては、導入園数が前年同期比4園増の59園と順調に拡大し、増収となった。

(4) デジタル教材・ソリューション部門
デジタル教材・ソリューション部門では、「デキタス(オンライン学習教材)」「デキタス・コミュ(Web演習システム)」を学校・学習塾及びスポーツクラブ等に提供しており、ビジネスモデルとしてはBtoBtoC型となるが、BtoC型でのサービス提供も行っている。小中学生を対象としたオンライン教材で、教科書内容に沿った授業や演習問題が5教科すべてラインナップされている。オンライン環境とパソコンまたはタブレットがあれば自分のペースでいつでも学習できることや、同社グループの講師陣が監修を行っていることが特長となっている。

2023年3月期第2四半期累計の売上高は前年同期比23.7%増の108百万円と順調に増加した。学習塾やスポーツクラブへの導入が進み、法人契約件数が同120社増の409社と大きく増加したことが要因だ。また、公立学校向けの「デキタス」を用いた補習サービスについても堅調に推移した。スポーツクラブでは会員獲得のための付加価値サービスとして「デキタス」などを活用しており、子会社の久ケ原スイミングクラブのほか、(株)ティップネスや(株)東急スポーツオアシスなどに導入が進んでいる。そのほか、学童保育施設を運営する(株)明日葉や不登校支援に取り組む団体などでの利用も進んでいる。

また、「デキタス」については2022年7月より東京・神奈川エリアでCATV事業を展開するイッツ・コミュニケーションズ(株)と共同で、CATVのインターネット回線を用いたサービス検証を実施しているほか、2023年から大手家電量販店を通じてパッケージ商品として販売を開始する予定となっており、新規市場の掘り起こしも進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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