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4687 TDCソフト

東証P
1,179円
前日比
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.5 3.08 2.04 4.10
時価総額 592億円
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決算発表予定日

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TDCソフト Research Memo(7):DX促進に向けた企業のIT投資は引き続き好調に推移


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
TDCソフト<4687>の2024年3月期の連結業績は、売上高37,300百万円(前期比5.8%増)、営業利益3,550百万円(同2.6%増)、経常利益3,750百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,510百万円(同0.8%増)を見込む。今後も市場環境は堅調に推移することが想定され、すべての事業分野で売上高の拡大を見込む。また、引き続き先端要素技術獲得や人材確保・育成に関する投資を積極的に行う。社員のエンゲージメント向上と事業拡大に対応したワークプレイス戦略の一環として「Smart Work構想」を2023年2月に策定し、多様な人材がより意欲的に仕事に取り組める組織風土や働き方の仕組みや環境作りに投資していく計画だ。具体的には、2023年10月に本社機能を九段会館テラスに移転するとともに、現本社が所在する新宿文化クイントビルを新たな開発拠点「TechnoGrowth Center Shinjuku」とすることを予定しており、両拠点において同構想に基づく投資を推進していく計画である。移転などに伴うコスト増加を見込むが、収益拡大で吸収し増益を予想する。

企業競争力の維持・強化を実現するためのモダナイゼーションの動きなど、DX促進に向けた企業のIT投資は前期に引き続き好調に推移するとみられる。2023年3月の顧客別売上高推移を見ても、金融業界ではクレジット、銀行が大きく伸びている。また、製造業、非製造業においても成長が継続しているほか、官公庁、団体においても微増ながら前期を上回っている。通信業界や流通業界などがキャッシュレス決済などの金融ビジネスに参入するなか、これまで基幹システムを借りていた企業や組織が本格的に事業を拡大させる動きを見せており、新たな基幹システムを構築する案件が増えている。そのため、引き続き金融ITソリューション分野、公共法人ITソリューション分野、ITコンサルティング&サービス分野を中心に拡大基調が継続する可能性は高いと弊社では考えている。

2. 事業分野別の業績見通し
(1) ITコンサルティング&サービス分野
SaaS、iPaaSなどのクラウド系エンタープライズソリューション関連案件の需要は継続し、拡大基調を維持できる見込みとして、売上高は前期比11.6%増の6,400百万円を計画。

(2) 金融ITソリューション分野
既存領域は堅調に推移し、さらにクレジットや地銀系のモダナイゼーション、レガシーマイグレーション(独自アーキテクチャのシステムからオープンシステムに乗り換える動き)関連案件需要も旺盛であるため、売上高は前期比3.8%増の16,500百万円を計画。

(3) 公共法人ITソリューション分野
運輸業・製造業でのDX需要等を背景にした顧客のIT企画支援等を中心に引き続き拡大を見込んでおり、売上高は前期比6.2%増の10,100百万円を計画。

(4) プラットフォームソリューション分野
クラウドニーズの高まりにより事業は堅調に拡大すると見込んでおり、売上高は前期比4.9%増の4,300百万円を計画している。

3. 2024年3月期の重点施策
(1) 技術獲得のための積極的な投資の推進
前述のとおり、さらなる成長に向けた足場固めを行うため、積極的な投資を推進。アジャイルやセキュリティなどの重点戦略分野への投資のほか、5G関連のビジネス化に向けた研究や自社製品であるクラウド型ワークフローシステム「Styleflow」の販売促進強化のための投資を挙げている。DXの潮流が加速するなか、重点分野の事業の拡大、高収益化を推進するうえで、今後主流になると見込む要素技術の獲得に向けた成長投資を積極的に行う計画である。また、同社は2022年3月にテレビCMの放映を開始したが、今後も人材リソースの確保を主な目的に、テレビCMやSNS、YouTubeなどを活用したブランディング及びマーケティングにも投資を行っていく。なお、テレビCMについては人材確保にすぐさまつながるものではないが、社員のモチベーションアップに大きく影響を与えているようである。社内の環境は想像以上に変化し、調査結果にもポジティブに表れたほか、離職率についても同業他社平均から相当低い水準になっているようだ。

(2) 人材対応
SI人材は市場での獲得競争が激しい状況にあり、同社では新卒採用者数を拡大し(前期から+45人)、その育成・教育施策の拡充により対応する方針だ。同社は人材確保における独自の強みを持っていることもあり、人材不足のなかにおいても同業他社と比較して、現状では堅実に確保できているもようだ。ただし、競合他社がDXの加速に向けて人材確保を進めるなか、今後はさらに獲得が困難になることが予想される。そのため、同社は新卒採用者の育成のほか、アライアンス強化や相互補完できる企業などのM&Aも視野に入れ、人的リソース獲得戦略を進めている。

(3) ワークプレイス戦略の推進
前述のとおり、同社では人材への投資に注力しているが、さらに社員のエンゲージメントを向上させ、多様な人材がより意欲的に仕事に取り組める環境作りを進めるため、ワークプレイス戦略として「Smart Work構想」を掲げ、2023年10月に本社機能を九段会館テラスに移し、現在本社の所在する新宿文化クイントビルを新たな開発拠点「TechnoGrowth Center Shinjuku」として再整備していくことを計画している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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