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TDCソフト Research Memo(8):アジャイル開発事業はビジネススケールの拡大を目指す


■2020年3月期 主要施策の状況

2. 重点戦略分野
(1) アジャイル関連事業
TDCソフト<4687>はアジャイル開発分野においては、アジャイル開発サービスの拡大に向け、グローバルシェア1位の大規模アジャイルフレームワークSAFeRを活用した組織へのアジャイル導入に向けたコンサルティングサービスや教育サービスを開始しているほか、Scrum認定技術者を活用したシステム開発と組合せるなど、アジャイルに関するトータルソリューションの提供を推進している。デファクトスタンダードであるScrum認定技術者やSAFeRコンサルタントなど、アジャイル関連の技術者を100名規模へ倍増させており、技術者や提供サービスの増強によるビジネススケールの拡大を目指す。なお、アジャイル関連事業を全社的に推進したことにより、中期経営計画の売上目標(20億円)に対して、1年目で進捗率41%と前倒しで推移している。

アジャイル開発とは、システムやソフトウェアの開発手法の1つであり、旧来のウォーターフォール開発と違い、仕様変更にも柔軟に対応でき、従来の開発手法よりもリリースまでの時間を短縮できるのが特徴とされている。ウォーターフォール開発は、要件定義から設計、開発、実装、テスト、運用までの各工程を段階的に完了させていく広く普及した開発手法であるが、最初に全ての要件を決める必要があり、柔軟な仕様変更への対応は向いていない。この仕様変更等が容易にできるのがアジャイル開発である。ITの高度化による4Gから5Gへの移行等、変化が速いテクノロジーに対して、早いリリースが求められており、開発途中での仕様・要件変更にも柔軟に対応できるアジャイル開発へのニーズが高まっている。

(2) セキュリティ関連事業
セキュリティ関連事業は拡大が予測されるセキュリティサービス市場において、CAGR4.3%と特に有望なコンサル・システム構築・運用管理・教育などの分野をターゲットに、セキュリティサービスをメニュー化し提供を開始している。なお、粗利益は通常のSIプロジェクトから+6%程度と、高収益ビジネスとして順調なスタートを切っている。セキュリティでは後発ではあるが、セキュリティ特化の他社とは違い、同社はSIのライフサイクルの中で付加価値を高めるサービスとなる。コンテナ技術導入に伴いアーキテクチャが複雑化されることにより発生する新たなセキュリティリスクに対応する。新型コロナウイルスによる環境変化によってテレワークが普及し、それに適したセキュアネットワークソリューションのニーズが増えるだろう。

また、同社はセキュアで高速大容量通信のプライベートLTEサービスを提供するLTE-Xへの資本・業務提携契約を締結している。LTE-Xは、本格的なIoT/5G時代の到来により、情報セキュリティの確保に対する重要性が益々高まるなか、企業内通信など閉域ネットワークにおいて、プライベートLTEをIPネットワーク上で仮想的に実現する「LTE over IP」技術を開発し、すべての企業向けに、低コストでセキュアなプライベートLTEネットワーク構築を実現するソリューションを提供している。「LTE over IP」はローカル5Gに適用できる技術である。新型コロナウイルスによってテレワークが増加するなか、VPN接続による接続不良を体験した人は多かったとみられるが、LTE-Xが持つ「LTE over IP」技術により安価で高速大容量通信が実現する。5G市場の拡大の追い風を受けることになる。

同社のシステム開発技術とLTE-XのLTE over IP技術のそれぞれの強みを融合し、事業を推進していくとともに、5Gの本格利用に先駆け、工場、病院、学校などの閉域ネットワークにてローカル5Gを活用した新たなシステムインテグレーションサービスを提供していく。顧客の「安心・安全」を実現するセキュリティサービスを新たにメニュー化し、SI事業における付加価値を向上させる。

ローカル5Gとは、企業や自治体が比較的小規模な5G通信環境を自前で構築できること。工場をオートメーション化したい企業が、自社の敷地内に5Gネットワークを自前で張ることができるということになる。5G/IoTの普及に伴い、セキュリティへの不安も警戒視されており、工場や病院といった閉域ネットワークにおいての需要拡大が見込まれる。

3. 新生TDCフューテックが始動
経営資源最適化に向け子会社TDCネクスト(株)、TDCアイレック(株)を統合し、TDCフューテックとしてスタート。TDCフューテックは生命保険・損害保険業界への開発並びに国土交通省を始めとする官公庁系システムの開発に長年参画している実績を持つ。同社の強みである「保険」、「クレジット」、「銀行」等の金融分野のほか、エネルギー、製造、流通等、TDCフューテックとの連携により幅広いフィールド拡大を目指す。

4. 八木ビジネスコンサルタントを子会社化
同社は2020年2月に、SAPシステムのコンサルティング及びシステム開発に強みを持つ八木ビジネスコンサルタントを子会社化した。SAP分野は、経済産業省の「DXレポート」において「2025年の崖」の一因として挙げられているとおり、SAP Business Suite 7の保守期限が2027年に終了されることを契機とし、後継となるSAP S/4HANAへのマイグレーション(移行)などの需要拡大が見込まれる状況にある。特に旧バージョンと新バージョンは大きく異なり、ソフトウェアのバージョンアップというより、システムそのものが変わることになる。特に製造業に強みのある同社においては、保守期限に向けた需要が見込まれることになるだろう。

八木ビジネスコンサルタントが持つSAP S/4HANAを含めた豊富なSAP関連ノウハウと、同社のシステム開発技術を融合することで、SAP S/4HANAへのマイグレーションを背景とした顧客ニーズに対し、付加価値の高い次世代サービスの提供に寄与すると判断した。

5. 投資計画「TDC Technology Beyond 2020」を策定
同社は、従来のボトムアップ型投資プロセスをトップダウン型に刷新している。技術・市場・顧客の各専門分野のトップ有識者により、投資計画「TDC Technology Beyond 2020」を策定している。将来変化を予見し、期待値の高い分野へ経営資源を集中的に投入することにより、早期収益化及びROI(投資収益率)の最大化を狙う計画である。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《ST》

 提供:フィスコ

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