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4650 SDエンターテイメント

東証S
294円
前日比
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.5 1.94
時価総額 26.5億円
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SDエンター Research Memo(3):「フィットネス中期ビジョン」と策定し、中期成長エンジンとして位置づけ


■事業部門別動向

(1)フィットネス事業

a)事業の概況
SDエンターテイメント<4650>はフィットネス事業を中期成長エンジンと位置付け、「フィットネス中期ビジョン」を策定している。けん引役と期待したグループ型ダイエットプログラム「FIVE」は前期に開発中止となったが、フィットネス事業自体への成長期待は現在も変更はない。現在同社が取り組んでいるのは、究極的にはKPI(重要業績指標)の改善ひいては業績の成長であるが、その実現のための具体的施策として次のようなものに取り組んでいる。

KPIには見学入会率や6ヶ月継続率など様々なものがあるが、一言で言えば新規会員の獲得促進と継続期間の長期化に尽きる。そのためには魅力あるプログラム作りが基本ということで、同社は新プログラムの開発・導入に注力している。基本的にはまず1店舗で試験導入し、評価が高いものを他店舗に水平展開するという戦略だ。これまでのところでは、秋田で始めたスピニングバイクが高い評価を獲得したため、トレーナーの育成など水平展開の準備を進めている。今後は、UBOUND(富士店、9月)やエアリアルヨガ(銚子店)、シルクサスペンション(小倉駅前店、11月)などでそれぞれ新プログラムの試験導入を行い、水平展開の可能性を探る計画だ。

既存店舗で従来より提供中の「SLIT」はカウンセリング技術向上や接遇改善で順調に拡大を続けている。SLITはFIVEの目指した単独店舗展開を視野に入れたプログラムではなく、フィットネスジム内の既存設備を使用したダイエットプログラムだ。食事制限と組み合わせて2ヶ月間での目標達成を目指す内容となっている。料金は入会金及びサプリメント込みで2ヶ月間の基本プログラムが198,000円となっている。

同社の資料によれば成功率は81.7%に達しており、ユーザーから高評価を獲得している。こうした高い評価が広まり、販売が順調に推移しているとみられる。同社は現在までにほぼ全店舗においてSLITを提供している。弊社が最も注目していたのは、この水平展開のスピード感であったが、第1四半期中というのは弊社の期待値を上回るペースだ。

SLITのキャパシティはトレーナー数に影響されるが、現時点では店舗によって1名?3名のトレーナーが配置されている状況で、同社はなるべく早期に各店舗2名の体制を確立したいとしている。

弊社の試算では、各店舗2名・15店舗体制が確立し、すべてのスロット(時間枠)が埋まれば、年商は500百万円規模に達する可能性がある。しかしながらこれは現実的な推計とは言えない。同社自身は、現実の顧客層(40代、50代中心でシニア層はまだ少ない)やトレーナーの配置状況等から考えて、現在の年商の最大期待値は100百万円程度とみているようだ。それに対して現在の稼働率はまだ30%?40%の状況とみられる。

弊社ではSLITが軌道に乗りつつあることは、同社の中期成長戦略にとっては明らかにプラスだと評価している。これをいかに加速させていくかが今後の課題と言えるが、現状はWebとチラシを活用した広告宣伝にとどまっているため、広告宣伝手法の改善や発展が1つのカギになるとみている。もう1つのカギは、SLIT会員をどう長期的にSDフィットネスの継続会員としてつなぎ止めるかという点だ。これについては、同社は通常のフィットネスジムからスタートしているため、継続利用にかかる施策の導入ハードルは低いと弊社ではみている。今後の推移を見守りたい。

b)業績動向
フィットネス事業の今第1四半期の売上高は、前年同期比4.7%減の528百万円となった。減収の直接的な要因は新所沢店の閉鎖(2016年3月)の影響だ。ただ同社は既存店の増収、ならびに新業態の新店舗開業によって閉店の影響を吸収して前年同期比で増収を計画していた。その計画に対しては10%程度の未達となった模様だ。利益の詳細は公表されていないが、店舗閉鎖の効果もあり、前年同期比では増益となったもようだ。

今第1四半期は会員の獲得が順調に進んだほか、KPIの見学入会率や6ヶ月継続率は着実に改善した。SLITや加圧プログラムなどの有料プログラムの売上高は、前年同期比18%増と堅調だった。全般には順調に推移したが結果的には、新業態の新店舗開業がまだ実施されていないことが未達の原因となったと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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