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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4318 クイック

東証P
2,226円
前日比
-42
-1.85%
PTS
2,230円
22:03 05/02
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.7 2.54 4.22 0.70
時価総額 425億円
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クイック Research Memo(1):2020年3月期は過去最高益、10期連続の増収増益を達成


■要約

クイック<4318>は、就業希望者と求人企業を結び付ける総合人材サービスを事業としている。人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣、業務請負の人材サービス4事業形態のほか、人事労務コンサルティングなど周辺事業も展開している。なかでも労働需給がタイトな専門職の人材紹介に強みがあり、同社の専門職向け求人サイトやスマートフォンアプリは人気で、各サイトとも業界トップクラスの登録者数と求人数を誇っている。事業としては人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、その他(IT・ネット関連事業、海外事業)の5事業を展開しているが、主力の人材サービス事業が売上高、営業利益(連結調整前)ともに約3分の2を占める。しかし近年は、人材サービス事業以外も活発な動きを見せている。

人材サービス事業では主に人材紹介と人材派遣を行っている。主力の人材紹介では看護師や施工管理技術者など専門職の紹介に強みを持つが、こうした分野でも徐々に競争が始まっている。しかし同社は、コンサルタントの採用や育成、能力開発に加え、専門職分野のノウハウを横展開することでいち早くドメインを拡大するブティック戦略や、自社エンジニアが最新技術を取り入れて開発するスマートフォンアプリやシステムに特徴があり、大きな差別化要因になっている。そのほか、人材派遣では看護師や保育士の派遣、リクルーティング事業では採用活動の企画・提案、情報出版事業では北陸3県(石川県、富山県、福井県)と新潟県で地域情報誌の出版、IT・ネット関連事業では人事・労務の情報ポータルサイト「日本の人事部」の企画・運営に加え、システム開発・AIソリューション・ITエンジニア向け育成トレーニング、海外事業では現地日系企業向け人材紹介や人事労務コンサルティングなどを行っている。

2020年3月期の業績は売上高21,035百万円(前期比9.7%増)、営業利益2,930百万円(同13.5%増)と過去最高益、10期連続の増収増益を達成した。また、期首の計画に対しては売上高で95百万円、営業利益で10百万円の超過達成となった。同社は既存サービスの強化に加え、新たな専門職分野の開拓やサービスの開発、グループ内での連携強化など事業基盤を強化し、顧客の採用課題を解決するソリューションにも取り組んでいる。この結果、主力の人材紹介を中心に人材サービス事業が伸び、登録者獲得費用や人員増に伴う人件費などの増加を吸収した。一方で、2020年2月以降の新型コロナウイルス感染症拡大により、非常に強かった企業の人材ニーズが減退し始めたもようで、リクルーティング事業をはじめ各事業で影響が出始めている。

2021年3月期の業績見通しについて同社は、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を合理的に算定することが困難なことから未定としている。今後、新型コロナウイルス感染症拡大の動向を見極めつつ、合理的な算定が可能となった時点で、改めて速やかに開示する方針である。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大に対応しながらも、生産性向上や営業力強化を推進していく方針でもある。中長期的には、少子高齢化などによる人手不足から、同社の人材サービス、特に専門職紹介へのニーズは一層強まると考えられる。このため、既存事業の成長と新規事業の育成に向けて積極投資を継続する方針は、今後も変わらないと考えられる。したがって、2030年3月期に既存事業で450億円、新規事業で200億円、海外で100億円、M&Aで250億円の合計1,000億円の売上高を目指すという姿勢も変わらないと弊社では見ている。

■Key Points
・看護師など専門職の人材紹介とシステムの自社開発に強み
・2020年3月期は2ケタ営業増益、10期連続増収増益と好調持続
・2021年3月期見通しは未定ではあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大に対応しながら、生産性向上や営業力強化を推進していく方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《YM》

 提供:フィスコ

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