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4312サイバネットシステム

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サイバネット Research Memo(8):2023年12月期は売上拡大とコストコントロールにより増収増益を目指す


■業績動向

3. 2023年12月期業績見通し
サイバネットシステム<4312>の2023年12月期の連結業績は、売上高で前期比10.4%増の22,000百万円、営業利益で同5.2%増の1,850百万円、経常利益で同9.2%増の1,850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.0%増の1,050百万円と期初計画を据え置いた。売上高は第2四半期までの進捗率が45.5%とやや低くなっているが、成長戦略として掲げている「自社開発製品の強化」と「アジア事業の拡大」に取り組むことで計画の達成を目指す。アジアの売上高は延伸案件が寄与することもあり、下期は上向く見通しとなっているほか、欧米子会社における自社開発製品についても着実な成長が見込まれる。このため、上期に低調だった国内の新規ライセンス契約の動向が計画達成の鍵を握ると弊社では見ている。

一方、利益面では為替の円安がコスト増要因となるほか、新基幹システムの稼働(2023年7月)による減価償却費の増加が見込まれること、人材投資についてもDX関連やMBSEなどニーズの強い分野を中心に採用を積極的に行う方針であることなどから計画達成のハードルは高いが、売上拡大とコストをコントロールすることで増益を目指す考えだ。

シミュレーションソリューションサービス事業においては、国内でAR/VRソリューションやAIシステム構築サービスなどDX事業の高成長が続くほか、MBSE等のエンジニアリングサービスも成長が見込まれる。Ansysの光学系製品についても国内だけでなく、中国、台湾、マレーシアでの取り扱いも開始しており、順調に拡大する見通しだ。海外子会社のうち、Sigmetrixは営業体制強化により売上回復が見込まれ、Maplesoftも教育機関向けだけでなく企業向けの受注拡大により増収となる見通し。NoesisやMaplesoftについては2024年6月期に新製品の投入も予定しており、さらなる売上拡大が期待される。一方、同社の開発製品であるビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis(ビッグデータアナリシス)」※はバージョンアップを実施したことで受注が徐々に伸び始めており、売上増に貢献する見通し。

※膨大なIoTデータを可視化・分析し、生産設備や工場ラインの現状をすばやく把握することで、設備不良等の予兆保全の効率化を可能とする。


ITソリューションサービス事業では、引き続きクラウドセキュリティソリューションや次世代型エンドポイントセキュリティを中心とした情報セキュリティ対策製品の販売拡大が見込まれる。また、新たな取り組みとして2023年7月よりエンドポイントのセキュリティ監視・運用を顧客に代わって行う「MDRサービス」の提供を開始した。年々巧妙化するサイバー攻撃に対処するためには高度なセキュリティ知識が必要とされており、顧客からの要望が高まってきたことが背景にある。セキュリティ製品の導入から監視・運用、潜在リスクの調査や対応策の立案までトータルソリューションとして提供し、事業規模のさらなる拡大を図る。なお、利益面においては円安による仕入コスト高に対応すべく価格転嫁を徐々に進めている状況にあるが、下期も140円台/ドルの水準が続くようだと減益となる可能性もあると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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