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3784ヴィンクス

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ヴィンクス Research Memo(3):大手流通小売業向け中心にシステム開発やソリューションサービスを展開


■事業概要

1. サービス概要
ヴィンクス<3784>は、流通・サービス業、なかでも日本を代表する大手流通小売グループ(海外展開含む)を主ターゲットとして、キャッシュレス・セルフPOSシステム、タッチレスPOSシステム、カートPOSシステムのPOS関連、顧客管理・分析のCRM関連、AIを活用した来店客数予測や自動発注システムのMD関連など、システム開発やソリューションサービスを展開している。

報告セグメントは情報関連サービス事業の単一セグメントのため、分野区分をアウトソーシング分野、ソリューション分野、プロダクト分野、その他IT関連分野としている。2022年12月期の売上高構成比はアウトソーシング分野が26.6%、ソリューション分野が40.4%、プロダクト分野が14.0%、その他IT関連分野が19.0%となった。流通小売業におけるDXニーズも背景として、ソリューション分野とプロダクト分野が拡大基調となっている。アウトソーシング分野は海外において新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けたが、2022年12月期は回復傾向となった。その他IT関連分野はハードウェア仕入販売が中心のため期によって変動する傾向があり、利益率も他の分野に比べてやや低くなっている。

なお連結子会社は、国内のエリアとUi2がソリューション分野、4U Applicationsがプロダクト分野、ホロンがアパレル向けを中心とする販売物流基幹システム「AP-Vision」等の開発、海外の4社(維傑思科技(杭州)、Vinx Malaysia、VINX VIETNAM COMPANY、VINX SYSTEM SERVICE (Thailand))がアウトソーシング分野を展開している。

2. アウトソーシング分野
アウトソーシング分野は、流通・サービス業における顧客企業の情報システムインフラの効率的かつ安定的運用を実現するため、各種サービス(システム運用・管理サービス、ソフトウェア保守サービス、ヘルプデスクサービス、ASP(Application Service Provider)サービスなど)を受託している。ストック型ビジネスであり、継続的なサービス提供で安定収益源となっている。

3. ソリューション分野
ソリューション分野は、流通・サービス業における顧客企業ニーズに対応して、流通・サービス業向け基幹システムソリューション(販売管理、商品管理、物流管理など流通・サービス業の基幹となる業務システム)、クレジットカードシステムソリューション(クレジットカードシステムの基幹システム)、ネットビジネスソリューション(EC構築を中心とするWebソリューション)など、各種業務システムの企画・開発を行っている。基本的には流通・サービス業の顧客企業からシステム開発を直接受注している。

4. プロダクト分野
プロダクト分野は、流通・サービス業のシステムに関する技術やノウハウをベースとして、各種パッケージソフトウェアの開発・販売を行っている。顧客企業ニーズに対応してソフトウェアのカスタマイズも行う。販売ルートはハードウェアメーカーやシステム開発業者などを経由した販売に加えて、直接販売も行っている。主要なパッケージソフトは以下のとおりである。

(1) オープンPOSパッケージ「ANY-CUBE」シリーズ
OLE-POS仕様(マイクロソフト<MSFT>がPOS技術共通化のために提唱し、同社が中心となって策定したPOSソフトウェアの標準化仕様)に準拠し、POS専用機やタブレットなど様々なハードウェア上で稼働するPOSパッケージソフトウェアである。主力商品として、ドラッグストア、スーパーマーケット、専門店、量販店など多種多様な業種・業態向けに販売している。顧客においてM&Aが行われた際に、ハードウェアを買い替えることなく流用しやすいことも支持を集める理由の1つとなっている。

(2) 流通・サービス業向けCRMパッケージ「Hybrid Satisfa」
ECと実店舗において顧客管理、ポイント管理、顧客分析などの機能を有するCRMパッケージソフトウェアである。オープンPOSパッケージ「ANY-CUBE」やWebシステムと連携して提供している。

(3) 流通業向けMD基幹システム「MDware」
小売チェーンストアの「店舗~本部~取引先」間をシームレスに結ぶMDパッケージソフトウェアである。商品マスター管理から発注・在庫管理までトータルな業務運用を実現する。最近では自動発注機能のニーズが高まっており、基幹システム全体ではなく同機能のみを単体で導入する顧客も増加している。

(4) 次世代統合運用ソリューション「Hybrid」シリーズ
IBMi搭載PowerSystemsに対応して国内累計出荷数3,000ライセンス以上の実績がある次世代統合運用プロダクト群である。

(5) 次世代運用プロダクト「VI-SERIES」
AIやIoT(Internet of Things=モノのインターネット)を活用し、人物の体温検知、物質の温度異常検知、防犯や顔認証など、システムの運用監視以外の検知や監視を集約して幅広く効率的な管理を実現する。

(6) 統合運用監視ツール「Integrated Viewer for ZABBIX」
Windows・Linux・UNIX・IBMi・仮想環境・クラウド環境・統合サーバなど、あらゆる環境を一元監視するサーバ運用監視ツールである。

(7) 非接触型セルフPOSシステム
2020年11月に、POS画面に触ることなく画面操作できる「非接触型セルフPOSシステム」を開発した。赤外線センサを活用することで、画面に近づけた手の動きを検知して操作するシステム(特許出願中)である。非接触操作用画面を既存のPOS画面の上に重ねたオーバーレイ表示することにより、既存のPOSアプリケーションの改修が最小限で可能となる。なお2022年5月には新型の非接触型セルフPOSシステム「ANY-CUBE Neo タッチレス・セルフPOS」を開発した。従来よりも精度の高い赤外線センサを採用し、空中でディスプレイ上のボタンを押すように指を近づけることで細かい操作ができるようになった。さらに、画面の上段で広告等のメディア配信も行うことができる。

5. その他IT関連分野
ソリューション分野及びプロダクト分野におけるシステム構築の一環として、ハードウェア販売を行っている。また、チェーンストアの各店舗に対する店舗システム機器の導入や教育などのサービスも行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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