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3683 サイバーリンクス

東証S
725円
前日比
-1
-0.14%
PTS
724円
09:47 05/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.3 1.09 2.21 223
時価総額 82.6億円
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サイバリンクス Research Memo(1):2023年12月期第2四半期は前年同期比21.4%の営業減益だが想定内


■要約

サイバーリンクス<3683>は、主に流通業と官公庁向けに基幹業務システム等を提供するITサービス会社である。現在の事業セグメントは、流通クラウド事業、官公庁クラウド事業、トラスト事業、モバイルネットワーク事業の4つとなっている。同社が提供するクラウドサービスは、共同利用する「シェアクラウド」であり、高機能・高品質でありながら低価格を実現している点が特色であり強みとなっている。また、モバイルネットワーク事業は、(株)NTTドコモの2次代理店としてドコモショップの運営を行っている。

1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
2023年12月期第2四半期の連結業績は、売上高7,675百万円(前年同期比23.1%増)、営業利益572百万円(同21.4%減)、経常利益589百万円(同19.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益143百万円(同70.6%減)となった。重視している定常収入は、3,766百万円(同10.7%増)と順調に拡大した。モバイルネットワーク事業で減損損失(特別損失)を計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純利益は大幅減益となった。セグメント別では、流通クラウド事業は、クラウドサービスが順調に拡大したことで定常収入が着実に増加し増収増益となった。官公庁クラウド事業は、2022年7月に子会社化した(株)シナジーの連結開始により大幅増収となったが、償却負担によりセグメント利益は減益となった。トラスト事業は、引き続き新サービスの開発等積極的な開発投資を続けていることから損失を計上した。モバイルネットワーク事業は、M&Aによる店舗の寄与などで増収となったが、NTTドコモからの支援費が減少した影響等により大幅減益となった。この結果、全体でも営業減益となったが主要因は償却負担であり、悲観する結果ではない。一方で、主力のクラウドサービス事業が順調に拡大している点は注目に値する。

2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績は、現時点で売上高15,065百万円(前期比23.2%増)、定常収入7,639百万円(同10.4%増)、営業利益822百万円(同27.1%減)、経常利益817百万円(同28.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益279百万円(同69.3%減)の見通しで、2023年5月に修正した予想値と変わっていない。シナジーの連結開始等もあり大幅増収を見込むが、M&Aに係る償却負担等(年間約2.5億円)により各利益は減益予想となっている。見かけ上は厳しい利益予想だが、償却前経常利益は前期比1.4%減予想であり、実質的な内容は悪くない。セグメント別では、流通クラウド事業は定常収入の積上げ等により増収増益の予想である。官公庁クラウド事業も堅調に推移する見込みだが、のれん償却負担等から増収減益を見込む。トラスト事業は各種サービスの提供拡大等により大幅増収を見込むものの、投資継続により損失計上を予想している。ただし、損失幅は縮小する見通しだ。モバイルネットワーク事業はM&Aによる店舗増で増収予想だが、NTTドコモの主要政策(店舗政策や支援費等)が不透明であることから通期ではほぼゼロ収支を見込んでいる。さらに今後は、質的な改善としてサステナビリティだけでなく、資本効率の改善にも積極的に取り組む。

3. 中期経営計画
同社は2021年2月に、2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表したが、成長スピードの加速により、2021年12月期及び2022年12月期の業績がそれぞれ計画値を上回ったことに加えて、外部環境やM&A等の内部環境の変化もあり、中期経営計画を見直した。その見直し後の数値目標を、2025年12月期に売上高170億円、経常利益16.8億円、定常収入95億円、ROE13%以上としたが、現時点でこの目標値に変更はない。各利益の見直しが小幅に留まっているものの、減価償却費の大幅増を吸収しての目標値である点は注目に値する。そのため、償却負担が軽くなる2026年12月期以降は加速度的な利益向上が見込めると弊社では見ている。

■Key Points
・シェアクラウド、流通業界向けに特化したユニークなITベンダー
・2023年12月期第2四半期は前年同期比21.4%の営業減益だが想定内。主力の流通クラウド事業は堅調に拡大
・2023年12月期はM&Aに係る償却負担等により減益予想だが、内容は堅調
・上方修正した中期経営計画では、減価償却費の大幅増を吸収しつつ2025年12月期に売上高170億円、経常利益16.8億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SO》

 提供:フィスコ

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