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3675 クロスマーケ

東証P
501円
前日比
-10
-1.96%
PTS
501円
22:38 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.7 1.49 2.59 807
時価総額 100億円
比較される銘柄
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イード
決算発表予定日

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クロスマーケ Research Memo(3):3つの事業でマーケティング全域を支援


■事業概要

1. 事業内容
クロス・マーケティンググループ<3675>の事業はデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業の3つで、752万人のパネルネットワークを軸に国内外のグループ各社が展開している。デジタルマーケティング事業では、販促支援メディアの運営やプロモーション・マーケティングの支援、システムの受託開発などDXに関わる総合的なITソリューションを提供している。データマーケティング事業では、マーケティングリサーチの基盤となるオンライン・オフラインでのデータ収集を中心にサービスを提供している。インサイト事業では、様々なマーケティングデータを複合的に分析することで消費者インサイトを発掘し、レポート作成などを通じて顧客企業のマーケティング戦略における意思決定を支援している。

リサーチを祖業とする同社がこうした事業区分を採用したのは、顧客に対しマーケティングDXパートナーとしてのポジションを明確化すると同時に、オンラインリサーチやマーケティングソリューションといった括りでは説明できない事業領域も取り込んでいくことを目的にしたからだと考えられる。祖業のリサーチ業務に関してはすでに国内外でフルサポートが可能だが、デジタルマーケティングに関しては、SNSやメディアを通じた販促などの点で伸びしろが非常に大きいように見受けられる。なお、海外事業はセグメント分けされていないが、領域は主にデータマーケティング事業とインサイト事業にまたがっている。また、事業間で連携することで、マーケティングプロセス全般の支援や国内企業による海外マーケティングの支援なども行うことができる。

(1) デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業では、販促支援メディアの運営やプロモーション・マーケティング支援、システムの受託開発などDXに関わる総合的なITソリューションを提供している。販促支援では、顧客ニーズに沿った多彩なメディアを運営している。なかでも2021年1月に子会社化した、メーカーとのつながりや商品在庫・ハンドリングに定評のあるドゥハウスは、日本最大級の商品お試しサイト「モラタメ.net」や「テンタメ!」といったプロモーションメディアを運営、無料サンプリングプロモーション※を通じて200万人にのぼる独自の消費者ネットワークを有している。なお、ドゥハウスの子会社化により、同社のプロモーションパネルは提携分も合わせてグループ全体で752万人の規模を誇ることとなったが、ドゥハウス自身も売上面などでシナジーが顕在化している。デジタルプロモーションでは、752万人の大規模パネルネットワークによる消費者データを活用することによって、より正確で最適なプロモーションなど最先端のマーケティングサービスを提供できるようになり、主要企業のD&Mの収益力向上につながっている。システム開発では、金融機関向けアプリや、ECの決済・ポイント管理といった正確性や堅牢性が求められるシステム、会員数100万人規模の大規模なシステムの構築・運用などに強みがある。

※サンプリングプロモーションとは、消費者に化粧品や飲料、食品など試供品を配ったり、店頭で新製品を購入してもらったりしたうえでアンケートをとり、メーカーの商品開発や商品育成など多目的なマーケティングに利用する販促手法である。


(2) データマーケティング事業
データマーケティング事業では、マーケティングリサーチの基盤となるオンライン・オフラインでのデータ収集を中心にサービスを提供、顧客の事業活動やマーケティング活動の意思決定を支援している。オンラインリサーチで最も重視されるのがアンケートパネルの量と質である。量については、提携先も合わせたアクティブなアンケートパネル752万人と日本最大規模を誇り、グループ全体での調査数は年間約30,000案件にのぼる。質は、性別・年代・居住地といった基本情報のほか同居家族など基本属性を幅広く網羅しているほか、毎年会員登録情報を更新してパネルの基本属性を常に最新の状態に保っている。また、悪質な不正回答者を登録抹消するなどパネルの品質管理も徹底している。スムーズな調査を実現するため、自動車保有などあらかじめ特定のテーマでセグメントした専門的なパネルを多数用意している。オンラインリサーチは、オフラインリサーチに比べて増加ピッチが速いが、もともと相対的に利益率が高かったこと、AIなどによる自動化が進んでいることなどにより、限界利益率が非常に高まっているところである。

(3) インサイト事業
インサイト事業では、様々なマーケティングデータを複合的に分析することで消費者インサイトを発掘し、レポート作成などを通じて顧客企業のマーケティング戦略における意思決定を支援している。そのため、インサイトの発掘に向けて年間約1,000件のグループインタビュー・会場調査を実施、試飲・試食などの調査も行っている。コロナ禍の期間中は中止またはオンラインによるインタビューとなったが、Webミーティングツールによる対面オンラインリサーチの手法が確立したことで効率性も向上した。ほかに、SNSなどを利用した投稿データの分析や、アンケートデータと2次データを統合したデータドリブンなコンサルティングなども行っている。また、ある領域に特化した専門パネルに対するリサーチをベースに、例えばヘルスケア・メディカル領域では、健康管理プログラムや発症リスクモデルの策定支援、創薬・治験などに関する論文・研究・医療技術評価の支援サポートを行っている。このような専門領域でのインサイト事業は、リサーチ企業側で専門人材の確保や新しい技術への対応などが必要なため、新規参入がしにくい非常に付加価値の高いサービスといえる。

(4) 海外事業
海外事業は独立したセグメントになっていない(主にデータマーケティング事業とインサイト事業に内包)が、同社の将来を語るうえで重要な切り口となる事業で、世界10ヶ国、20拠点以上で展開している(国内を含む)。2012年に中国に進出、2014年にはKadenceを子会社化するなど積極展開を進めていたが、2020年にKadenceに経営資源を集中するなど構造改革を断行した。この結果、2021年後半には海外での事業体制に目途がつき、足もとでは米国や東南アジアを中心に収益改善が顕著となっている。現在は、将来の再成長へ向けて、日米欧の大企業向けに提供インフラの強化を進めているところである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《ST》

 提供:フィスコ

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