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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 5月12日版

日経平均は目先上昇しても3万9500円程度が上値の限界になる公算
1. 日経平均株価の本年の位置
 今回は、 日経平均株価の想定できる大勢の値動きを再確認した後、目先の展開を考えていきます。
 以下では、一定の流れができる場合、5つの波のパターンを形成するということを前提としていますが、必ずしも5つの波のパターンを作るわけではありません。値動きを予測する場合、まずは基準を決め、基準に沿っているか否かを見極めることで、次の展開を考えていきます。
 未来のことを推測しているので、1秒先のことですらわかっていることなどありません。
 テクニカル分析が好きな方には、確率が高いと未来を示していると考えている方もおられるようですが、極論すると確率などなんの役にも立ちません。
 重要なことは、自分の中で裏付けのある判断の基準を持つことと、その時点ごとの値動きからわかる現状を、自分のフィルターを通さずに認識することです。
 図1は、日経平均株価の月足です。日経平均株価は2008年10月以降、大勢の上昇局面へ入っています。
 この上昇が5つの波のパターンを形成すると見た場合、2018年10月までが1波、2020年3月までが2波、2020年3月以降を3波目の上昇局面とカウントできます。
 3波は、さらに小さな(1)~(5)波に分かれて、3波全体の上昇の流れを作っています。
 以前にも紹介した通り、2024年3月以降の下げが、2020年3月以降の上昇途中の調整の中で最も値幅が大きくなっていますので、2024年3月の高値4万1087円は、3波の中の(3)波の終点だと考えられます。
 この見方が正しければ、本年3月以降の動きは、3(2)波(2021年9月~2022年3月、6114円幅)と同程度の値幅の3(4)波の調整場面へ入っていると推測できます。
図1 日経平均株価(月足)
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 図2は、日経平均株価の週足です。
 5つの波のカウントは曖昧なもので、結果を見て正解を知るしかありません。
 図1では、2022年3月の安値を3(3)波の始点としましたが、2023年1月の安値が始点である可能性も残されています。
 そのように見ると、昨年6月以降の調整と、本年3月以降の下げが同程度の調整となって、本年後半に3(3)波の最終段階の上昇が残されていることになります。
 5つの波は、よく見られる動き方として、3波だけが長いパターンと、1波、3波、5波のそれぞれが同程度の長さになるパターンがあります。
 2024年4月の安値が調整の終点となって、本年後半に最終段階の上昇を残していると見るなら、2023年1月以降の上げは、1波、3波、5波が同程度の値幅の上昇場面になる可能性が出てきます。
 その場合、本年は年末へ向けて、4月の安値3万6733円から8000円幅の上げを残している(4万4000円以上を目指す)と推測できます。
 今回、強気の見方を紹介した理由は、年末へ向けて4万円以上を目指す可能性が出てきたからではありません。
 現在は、2024年3月以降が2021年9月~2022年3月までと同程度の値幅(6114円幅)の調整場面となって、3万4973円を目指す動きへ入っていると考えられます。
 弱気の見方が正しければ、目先の価格が上昇を開始しても、4万1087円へ接近する動きにならないと考えられます。
 しかし、目先、急上昇を開始して、一気に4万1000円へ接近する動きが表れるなら、その時点では3万4973円まで下げるという見方に固執するのではなく、実際の値動きを素直に受け入れる必要があります。
 今後の展開次第では、今年、年末へ向けて再度値幅の大きな上昇場面が控えている可能性を頭の隅に置いておきます。
図2 日経平均株価(週足)
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