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3656 KLab

東証P
252円
前日比
+1
+0.40%
PTS
249.2円
23:37 05/10
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.97 9.29
時価総額 104億円
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KLab Research Memo(8):新規タイトルのリリースに向けて開発パイプラインは順調に進捗


■活動実績

1. 開発方針の見直し
KLab<3656>は、これまでの状況や外部環境の変化等を踏まえ、1)不振の欧米IPを採用せず、海外でも人気の高い日本のIPを中心に据えること(日本のIPを活用したゲームを日本で開発し、海外へリリースする体制への変更)や、2)内部開発中心から外部開発/パブリッシングの推進を図っていくことによる開発方針の見直し、を行った。それに伴い、海外開発拠点(フィリピン子会社)の撤退を決定するとともに、米国子会社のスタジオ機能を閉鎖するなど、国際分業体制の見直しや海外拠点の整理に着手した。また、外部開発/パブリッシングの推進により、ゲーム開発にかかる固定費の変動費化を図っており、今後のコスト削減やリスクヘッジ、ヒット率の向上につなげる構えである。

2. パイプラインの状況
前述したように、2016年12月期は新規タイトルのリリースを見送ったものの、足元では全部で11タイトルのパイプライン(本開発中及びプロト開発中のゲーム)が進行中であり、新規タイトルのリリースに向けて順調に積み上がっているものと評価できる。そのうち、内部開発が5本、外部開発/パブリッシングが6本の構成となっている。また、他社IPは「キャプテン翼」や「うたの☆プリンスさまっ♪」など全部で6タイトルとなっている。

3. 運営力及びマーケティング力の進化
2016年12月期は、新規タイトルがなかった分、既存タイトルの維持に努めた結果、運営力及びマーケティング力に磨きをかけることができた。具体的には、効果的な広告によるユーザー獲得効率の上昇やマネタイズの工夫による課金率の向上のほか、ゲームユーザーの定着率向上やファンコミュニティ醸成に向けた施策の強化などに取り組んだ。その結果、スタートから2年以上経過するタイトルが、月次で過去最高売上を記録するなど、同社の運営力及びマーケティング力は新たなステージに入ってきたものとみることができる。

4. 非ゲーム事業の推進
非ゲーム事業の強化にも積極的に取り組んだ。ロック界で最も権威のあるアワード「CLASSIC ROCK AWARDS」の日本初開催を企画(東京・両国国技館)したほか、日本文化(特に、日本食文化)を世界中へ輸出する目的で子会社(KLab Food & Culture)を設立すると、フードテーマパーク「ラーメンアリーナ」の展開を開始し、2016年12月には中国上海市内に1号店をオープンした。「CLASSIC ROCK AWARDS」は不振に終わったものの、ラーメンアリーナは好調に滑り出したようだ。また、純投資ファンドを組成し、将来有望なスタートアップへの投資実行も開始している。

以上から、2016年12月期の業績及び活動実績を総括すると、業績は2期連続で減収となったものの、今後の成長に向けた体制づくり(パイプラインの積み上げ、開発方針及び体制の見直し、収益体質の強化、運営力及びマーケティング力の強化など)という点では一定の成果を残したと評価することができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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